他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

今昔の別れ

そんなつもりはなかったのに目が覚めたら14時前だった。時々意図せぬ爆睡が発生するけれど、疲れているのか覚醒から逃げ出したいのか、とにかくとってもヌーンに目が覚めた。夜型人間ではないので、1日の半分以上が既に終わっているという徒労感よね。別にどうしても日曜日を迎えたかったわけでもないし、日曜日にどうしてもやりたい、あたいどうしてもこれだけはやらないといけないの!!! っていう事もないし。はぁ〜っつって頭振りながら洗濯物回して朝ご飯食べましたよ。スタートダッシュで負けると、うお〜追いつくぞ頑張るぞという気概が起きないので、夕方までだらだら過ごした。負けが見えてると、勝負を追う気がなくなるからね。高校の体育祭で一周半くらい遅れてリレーのアンカーバトンを渡された時の事を思い出すよね。さして俊足でもないのになんで俺はあのポジションにいたのか永遠のクエスチョン。虚無を満たすのは得意です。履歴書の特技技能のところに虚無を満たすって書いたら怒られるだろうけど。人間を見るのは、人間を評価するのはめちゃくちゃに難しい。俺が下手くそなだけかもしれないにしても、一ヶ月くらい「俺はこいつを評価したい! 人物評価トライアル合宿」を開催したい。一緒に泊まり込んでキッチンとか風呂トイレを共有して、余所行きのぺかぺかしたお召し物じゃなくて心がジャージとスウェットのノーマルゲージ振り切って100%の生身を見るために。人を見る立場にあるほど俺は偉くないけど。複数人同時に実施するにしても、母数が数十数百になると年単位で合宿することになっちゃうし。それはもはや次々と見境のない同棲。けれど、罪悪感がないように、あるいは自分の中で納得ずくで切り捨てるために、それくらいはしないと向こう永劫モヤモヤする気がする。私は初対面の人にはめちゃくちゃ弱いのでその手のイベントではよくヘタクソこいてディスアドバンテージ食らう。外が暗くなり始めたなと思ってどぷんと陽が落ちてから、溜まりに溜まっていた牛乳パックと食品トレーを資源回収にパージしに行った。トレーは潰して展開する事もできないし、軽くてささいなきっかけで飛び回るし、はっきり言って邪魔なのでスッキリした。帰りに、なんかいい店ねえかなと思って焼き鳥屋に行った。8本頼んで、全部出てくるのに90分かかったので、繁忙する時間帯に焼き鳥屋に行くのは自殺行為だと実感した。悪くはなかったが、待ち時間だけで心象は随分と変わるものだな。人を待たせるのはやめようね。

お先抹茶小倉

書いてる人は本当に面白いと思って書いているのだろうかと不安になる程味気なくて面白みというか可愛げのない文章で書かれた本を読んでいると心が旱魃になるのでものすごいいい加減に読んでいる。恐ろしいほどにsternな人なのかもしれないが、砂を砂で調味したような一品なので箸が進まない。それとは別にヘロドトスの歴史を読んでいて、固有名詞ばっかり出てくるし地理的な話ばっかり出てくるので頭に1割くらいしか入ってこないし覚えていないのだが、どっかの地域のなんかの民族では、高齢に達した人を縁者が取り囲んで殺しその肉を家畜のものと一緒に煮て食う、それが最上に幸福な死に方だとされているという節を読んで、やっぱり事実は小説を張り飛ばすもんだなと思った。猛スピードで張っ倒している。紙ペラがたちまち破け去るのを感じた。俺もだらだら生きた暁には、家族にシチューにして食ってもらおうかな。一時的とは言え、血肉になって誰かの身体を巡るってなんだか興奮するから。ダレン・シャンでダレンがサムの血を吸い切った時、同時に思い出も取り込んだはずである。俺の肉を食えば、一片くらいは何か価値ある思い出が輸入できるのではないか。そんなメモリィを持ち合わせている自信がないが。この前の雨で踏み潰されていたカエルの死骸を見て、生々しさと生体の大きさにかかわらない内臓の精巧さにげろげろした思い出を継受しても嬉しくないだろう。何もしてねえな。布団と枕についた黄色のシミ、意識して見るたびに死臭を感じる。洗剤で洗っても取れんしな。シーツだけ買い換えるのもめんどいし、そもそもニトリに行くのがめんどくせえ……。風呂桶の排水詰まりが爾来数ヶ月ありえんくらい糞詰まりの便秘ぷりぷりぷーで、シャワーを浴びているともはや足湯と化してすげえ汚いから嫌なのだが、パイプの異物溶かしてやるぜ系液体をどぽどぽ投下しても一向に改善の兆候を見せず、先日とうとう我慢ならなくなって、コンビニ袋に手を入れて仮想手袋とし、人差し指と中指の猥褻コンビで排水溝に指を突っ込んでみると、白と茶色の2色から構成された異物の塊がねちゃあとした感触を返してきて、さてはお前が悪玉かえいえいとひたすら下方に突っ込んで入り口だけは綺麗にしたはいいものの、それで解決するどころか一割くらい貯水効率が上がってしまい俺はどうやって風呂に入ればいいのかまじで分からんくなっている。残っているパイプ綺麗にする系リキッド全部突っ込んでみっか!

正気と誤気

すげえ強度で鍋が食べたくなった。鍋が食べたい! と叫ぶと、近くにちゃんこ屋あるよと言われた。ちゃんこ鍋ね。ちゃんこ鍋。ちゃんこ。チャンコ。ちゃん子。アダ名っぽいよね。CHANKO。ロシア人っぽい。ロトチェンコの事が頭にあるからかもしれない。鍋が食べたい欲は満たせそうだったが、そういえばちゃんこって何味なんだ……? という疑問が浮かんだ。世の中広しといえど、ちゃんこ鍋の素、スープパウチみたいなものはあるが、「ちゃんこ味」といううまい棒はない。フレーバーとして、名前がついていない。なんとなく予想はつくものの、あれをどう表現するべきか評議を重ね、「塩かな」「塩だね」「水炊きに塩インだね」「ダシも薄い感じがあるし塩でしょうね」との結果になった。ちゃんこは多分、塩。あとは具材から汁に染み出す、旨味的な、その辺のあれらだと思う。素材の味っぽさが強そうでいいですね、ちゃんこ。今日は結局食べに行ってないのですけど。教えてくれた人か、一緒にちゃんこのフレーバーの正体を求道した人とでも行こうかな。鍋ってお腹膨れるのかしら。自分で作れば、玉ねぎと人参切って、鳥のぶつ切りでも適当に放り込んで、ここが真髄だが、大量の白菜を投入すれば大体満腹になる。白菜のバルクは馬鹿にできたものではない。白菜を馬鹿にしているわけではないが。タラは安いわけではないし、ついでに食いでが驚くほどナッシンなので、どうしても安い鶏肉をまあまあの量入れて満足したくなる。果たして、鍋は食欲を積極的に満たす料理なのだろうか? 自分で作る鍋は、ポジティブでアグレッシブな食事ではない気がしてきた。攻めるか。攻めの姿勢見せてくか。市場でたっけえカニでも買ってきて自分で出汁を取れば、それはもう積極的前のめり食事でしょう。でもそこまで必死に食事したいかな〜っていう、あれね。チョコボールピンボールしたいです。台風ふたつが消滅したと聞いて天候に関しては完全に思い上がっていたのですが、朝起きたらもう、びゃーっつってすげえ雨だった。家から出たくねえ〜って言いながらトイレに行って家を出た。水不足解消しちゃうなと思いながら歩いて、交差点で信号が変わるのを待っていたら、背中に吹きつけるつよつよの風と、背中を一面びちゃびちゃに濡らす雨粒の熱烈ラブタックルを感じて、後ろ半身が隙なくしとどになった。足のふくらはぎ部分なんて、傘でもどうやっても守れないのでね。QOLが低下しました。

打算盤

「同担拒否ってどういう意味なんですか?」と聞いたら、「えっ、同担拒否、は……。同担拒否でしょ?」「同担拒否なんですか?」「同担拒否なんじゃないの?」「ど、同担拒否……?」という会話の流れになって、気になってムズムズしてしまい、さすがに今年の現代用語の基礎知識には載っていないだろうと思われたので(あれはまだ刊行されているのだろうか)インターネットに諮問すると、なんとWikipediaに項目が立っていて情報社会を感じた。おおよそ、同じアイドルを嗜好(担当)する人に対する拒否反応の事を同担拒否と言うらしい。反応の2文字がお尻にくっついて金魚の糞しているだけで随分と一見での理解度は変わると思うのだが、四文字熟語というかっけえ先達が日本語には高く聳え立っているから、その背中を超えるのは難しいだろう。友達なら同担拒否なし、同担が友達の距離内にいるのもちょっと……などのグラデーションがあるらしく、人間の人間らしさというか、可愛らしくない言い方をすればしち面倒くささを感じた。けれどクエストを引き受けなければ報酬がもらえないのも事実なので、あぁ〜〜〜めんどくせぇ〜〜〜と口に出すだけで飲み下せるような消化の良さもまた必要かもしれない。できるだけ繊維質なものを食べた方がお通じにはよい。何が出るんだよという話ではある。そもそも何か吸収できているのだろうか、達成を通して。達成の積み重ねでより高次の達成が可能となるわけだが、達成したという事実はしばらく時間が経ってからでなければ実感できないものであり、とするとほぼほぼ最近のものは実感できないという事になり、あれ、じゃあその不毛感? みたいなものに対する心の強さ的な素質も持ち合わせていなければならないとなると……。頭が痛くなるね。散々言い散らかしてここ最近でとりわけに衝撃だった生ニンニク味覚消失事件だが、昨日をもって一応解決はした。そもそも、買ってきた辛子明太子がそこまで辛いものではなかったという発見もあった。前に買ってきた時はもう少し味が濃かった気がするのだが……? 味蕾を一度焼き払われた人間が言う事でもないか。中国人は餃子を食べながら生ニンニクをかじるらしい。すげえな。私の舌には、まだまだニンニク耐性が足りない。上げても得るものはない。もう少し有用なパラメータがある気もする。何と言うか、こう……。興味のない対象を抱き続けるのは、精神的に辛いものがありまくるね。味がないのは辛いわ。

腐るだけで見られるものになる

ロリババアと無知ックスする事を「温故知新」と表現している人間がいて、あまりの卓抜さに腹を抱えて30分くらいずっと笑い続けていた。先月くらいの出来事だが、唐突に思い出して、そのセンスに脱帽せざるを得ない事を再確認したので残しておく。どの角度から見ても隙がなく、こういうのを快打というのだろう。その時周りに居合わせた人にこれ面白くない? と共感を求めたものの、「は?」みたいな顔をされたのは、まあそれはそれである。とりあえず私が面白いと思うのだから。家の扉を開けた瞬間、視界に橙色の点々が散在して眩しかった。何がどうなったのかと心を落ち着けると、雨だか風だかで揺さぶられて重力に従った金木犀の花(花だと思う、多分)が門に至るまで、果ては門を出てからも散らばっていた。見た瞬間に「季節のまきびしだ」ととてもポエティックな事を思った。思ったので仕方がない。季節のまきびしだった。踏んづけたとて痛くも痒くもない、可愛らしいトラップだった。鼻先を掠めるくらいの位置にまで枝と葉を伸ばす金木犀の木からは、むっちりととろみのある甘い匂いがする。例年気がついたら終わっているけれど、金木犀のトレンドっていつまでなんだろう。今年は多少意識して見つめてみてもいいかもしれない。急ぐような大層な用事はないのだから。急ぐような用事……。ないなぁ……。晩御飯を作りながら、大量に買って来た精肉をラップにポーション分けして冷凍庫に突っ込む作業をした。肉は嫌いじゃないが、大量の肉を一気に整理し続けていると気が滅入ってきて嫌気が差しそうになる。肉屋の人は、日中飽きるほど見たしそこまで肉食べたくないやとはならないのかしら。冷蔵庫の奥の方にかかっていた部分は少しだけ凍っていた。安い冷蔵庫だとこうなる。安い、と言ったって、まともな冷蔵庫は実家にあるものと祖母宅のものくらいなので比較対象が自分の中に少なすぎる。まあでも、他で名前を聞かないようなメーカーなので。洗い場のスポンジを新しいものに替えた。新品は泡立ちが大変よろしい。嬉しい。ビタミンC。一個だけ買ってきた柿がレンジの前にほっぽり出されている。とろけ出す前に食べなければいけない。たまには趣味の話を最後にちょっと。闇のジョン・ドゥに天聖のエンブレムをつけて、バチバチに背水かけた闇ソルジャーでつよばはに潜り始めた。マグナだと堅守がないので気を抜くとあっさりキャラが落ちるが、その緊迫感が前立腺をいい感じに刺激してくる。どうせ終末5凸に角必要だし。たまに順位赤箱が落ちるので、一回くらいヒヒイロ見てえなと思って。

持てないものを武器とは呼ばない

意識が浮かび上がった瞬間に、身体の部位に感覚を覚えた。ひとつの小宇宙(コスモ)が終わった感覚を。口の中が全く正常ではない。具体的に指すと舌が二万%くらい終わっていた。口蓋をなぞってみると、自分の身体ではないような重くてざらついた違和がぞろぞろとどこまでもついてきて離れない。知覚を全て奪われたような、どこか遠くで音が鳴るだけの隔離が舌一面に張り付いていた。一瞬で思い当たった。昨日の事だとは既に思えない、思えないあたりがよろしくない気がするが、確か昨日のイベントだったはずのあれ、ラーメン屋でしこたま食ったニンニク、おそらく総量いちバルブに上るであろう香辛料の名を借りた爆裂刺激物が、私から味蕾のほぼ全てを奪い去ったらしかった。驚くほど何も感じない、手応えならぬ舌応えが口の中についている肉の板から来ているものなのかしら本当にと醒め切ってどうでもよくなるほどに彼方へと微細が吹き飛んでいる。朝ご飯として、米に辛子明太子を乗せて口に運んでみたら、我ながら自分を疑った。何の味もしなかった。超えられない壁に阻まれて、マジで本当に、嘘をつく意味がまるっきりゼロで何もないほど味を感じる事ができなかった。もしかして辛子明太子をつけ忘れたんじゃないかと思って二口三口追加してみても焼け石に水、焼け舌は焼け野原だったので、びっくりするくらいに、入力シグナルの音沙汰がない。途中から面白くなった。食事という行為から味覚というフィルタを引っぺがすと、ただただ物質を摂取するだけの無色透明で面白みのない作業になるのだなと思って面白かった。自分からやろうと思ってできる事ではない。やりたい事でもない。偶然に足をすくわれてまろびこけた後に顎を打つ小石や、見上げた時に見えるパンツが好きである。とは言え、摂食に一切の彩りが伴わないのは楽しくないのも事実なので、生ニンニクの大群によって焼き払われた味蕾村がいつ頃復興するのか不安で仕方ない。鏡に舌をえーっと突き出して写してみても、普段と変わらないというか、常軌を逸した状態だとは見受けられないので何も分からない。神経だけが入力過多で焼き切れたのか。あんな一時(いちじ)の気の迷いでこれから先味覚を失ったらワライダケでも食べなければ笑えないが、どれくらいで復調するんでしょうねこれは。これならいけるかと思い、晩飯を塩と山椒辣油で味付けしてみたら、これもまた舌の鉄面皮を通れず味信号を全く届けてくれなかったので、結構深刻にやられているくさい。明日の朝ご飯は何味なんでしょ〜か?

隔てるのが身の為

家に届いた郵便物の宛名印刷が信じられないくらい薄かったので、ポストから取り出した瞬間に「はぁ〜〜〜? めちゃ薄コンドームかよ〜〜〜?」と結構なボリュームで口に出してしまった。印刷の状態と避妊具の厚みは比べるにも同じ単位に揃えられていないので非合理である。ついでに、眼鏡屋(眼鏡屋と言ってしまうとなんだかものすごくかっこ悪くて、おそらくアイウェア専門店などのスタイリッシュ気取った呼称があるのだろうが、知らないものはない、名指しできないものはないとする)の広告にも「生感覚コンタクトレンズ」というコピーがあったので、これにも「はぁ〜〜〜? めちゃ薄コンドームかよ〜〜〜?」と思った。生感覚というこれが、めちゃくちゃアダルトグッズっぽいと私は思うのだが、たまにアダルトグッズ専門店に行って色んな商品を見るのが楽しいんですという話をしたらなんだお前のその趣味はという反応しか帰ってこないので、みんなあれを見ても何とも思わないというか、頭の中で何もスパークしないのか……。寂しいな……。今日必着の書類を午後一時過ぎくらいに郵便局に持って行って速達で今日届きますかねと聞いたら、分からんと返ってきたので、多分大丈夫じゃないですかね多分と怪しい日本語でフォローされたし、まあダメだったら仕方ねえなと訳のわからない腹の括り方をして出すだけ出した。郵便局の目の前にあるところに必着の郵便だったので、もうその足で持って行ってくれよとは思った。届いていなければ来年が面白い事になるだけなので、もう考えるのはよそう。ストレスの溜まる事をしているので、やけ食いしよ〜と思い立ち、ラーメン屋に行って二郎系のパクリみたいなメニューを頼んだ。ニンニクと脂は増量した。全然そっち系の匂いがしない店だったのに、どうしてあんなもんを提供し始めたのかさっぱり謎である。いざ丼が来ると、二郎でニンニクマシマシを頼んだ時より大量のニンニクが添えてあった。ちょっとだけ溶いてスープを飲んでみると、かなり強烈な生ニンニクである事が察された。で、卓上に、あれがあった。あっ! これは! かぐや様の藤原書記ラーメン回で、ニンニクをガリッと砕いていたあの器具だ〜〜〜! うお〜〜〜! とテンションがアゲアゲ↑↑になって、楽しかったので二欠け砕いた。思ったより最後まで出ない、皮が残留して綺麗には潰されて出てこない事を知った。その後から、地獄のような辛さが始まってとめどなくなり始めた。なぜかと考えるに、答えは一つしかなかった。バカみたいにニンニクを入れたからだった。一口食べるたびに、舌の上で堪え難い白熱が爆裂する。本気のニンニクがこんなに辛いとは知らなかったし、水を飲めば飲むほど辛さが後に退かない。舌にコンドームでもついているのかと思うほど水が効果を発揮しない。量ではなく、ただただ、つぶつぶになってスープ中に四散したニンニクだけに妨げられ、食が牛歩の速度になった。何とか食ったが、途中から何も考えられていなかったし鼻水が止まらなかった。家に帰ってきた今でも、なぜか口の中にニンニクの辛さがフラッシュバックし、喉の奥から這い寄ってくる。舐めてかかって本当にすまなかった。

骨を拉ぐ

そろそろ布地がハーフだと辛くなってきたので、布地を倍にしようと思って畳んだ服の山を漁ると、袖が長いシャツがなかった。ないわけではないが、できれば絶対に着たくないシリーズなので着ない事にした。そういえば長袖のレパートリーは3枚くらいしかなかったような気がする。もうちょっとあったはずだが、どういうわけか靴下もストックが心許ない。近いうちに、ユニクロなりGUなりで新しい弾薬を仕入れる必要があるかもしれない。洗濯物の乾きが鈍いので、そんな事言ってないでさっさと買ってきた方が後々ラクそうである。冊子の編集作業がそろそろ印刷所にお願いできそうなくらいにはなり、背表紙の厚さを印刷所のホームページで計算したら23mm弱との数値が出てビッくらポンした。鈍器である。もしやそこまででもないなと思って物差しを思い出したら、やっぱり23mmは厚い。ページ数がページ数なだけに仕方がない、物理法則には逆らいたくても逆らえないというかどうやったらレジスタンスできるんだ? 真ん中付近を開いただけで背表紙が割れるかもしれない。もはやそれくらいのページ数である。背に鉄板でも入れてもらおうかしら。洋書では実にしばしば背表紙がかち割れるが、海外の図書館で見た賢い対処法は、背にプラ板を当ててから装丁を透明シートで包む、だった。あれは割ろうと思っても、割ろうと思ってはいないが、かなり堅固な耐久度に仕上げてあったので、大部なものでも余裕だった。でもあれをいちいちにやるとなるとめんどうだな。けれど、この間借りてきた本がそうだったように、背が割れてしまうとそこを起点にページが引っ張られたりついてこなかったりして繰るのが快くなくなるので、どうにかできたらいいな、くらいで。やらなければならない事はあるが、特に何もやってない。本丸に辿り着くまでに色々やっていたら本丸に到着するのがめんどくさくなってしまった。本丸があまりに近くて遠いというのも問題である。それの事だけ考えたいのに、間に差し挟まってくる障害物があまりに多い。証明写真をはっつけなければならない書類があったが、正直何も変わっていないので、高校の国語の先生が言っていた、生涯の人格は高校生までで完成されているというあれである、顔がそこまでめきめき変貌するわけでもなし、スーツなり何なりを着てわざわざ写真機に赴くのはだるだるのだるゆえ、3年くらい前に撮ったまま使い切っていないシートを使いまわす事にした。直近○ヶ月のものという指定、意味あんのかね?

小指の爪だけ長い

冷蔵庫の上に電子レンジを積んで、電子レンジの上にトースターを積んでいる。キッチンに佇む大中小の道具たち。冷蔵庫の天面面積が一番広いので、電子レンジを積んでもまだ余りがある。そこに使い終わったり中身がカラになったりした瓶を大量に並べているのだが、普段は電子レンジの背後に隠れて見えないため、ずっとゴミの日に出すのを忘れている。ここに大切な資源があるのに、埃を被るがままである。家からスーパーに直接行く機会が最近はないため、食品トレイとぎうにうパックも大量に冷蔵庫周りに貯蔵されたままである。資源ごみは、有効活用しようという意思があって初めて資源ごみである。燃えるゴミの日、袋に透ける牛乳パックを見るとそう思う。チャンスは自分から探すものである、との言も、もしかしたらそういう事なのかもしれない。女子大生3人が歩いていて、そのうちの一人が近々彼氏と同棲を始めるらしく、仲間に色々話していたのだが、カップル向け物件の敷金礼金は諸々込みで50万円もするらしい。やべえなと思った。そんな金額、どこで取られるのだろう。女の方は春から就職、男の方はまだ大学に残るらしいので、頑張ってバイトしなきゃ、と言っていた。愛の巣って高いんだな。50万円も払ったら、もし嫌になっても出ていく気が起きなさそうだが、しかるに感情は時に理を踏みつけて飛び越えて行くものであるから、それさえも投げ出せる瞬間が自分の中で爆発するのだろう。図書館で散々貸出期間を延長した挙句、結局最後まで読めなかった本を返して、新しいのを借りてきた。前回の失敗は、2週間を3冊に割り当てた事であり、反省を生かして一冊しか借りてこなかった。上中下3分冊なので、とりあえずどのくらいのペースで読み進められるのかを自分で把握してからイッキに挑戦するものとする。台風が接近して、停電するかもしれないとなった時に、あんまり使わない鍋に水を溜めていたのを忘れていたから捨てた。さすがにもう室温で水が腐るような季節ではないだろうが、時間を置いた水道水を口にする気にはならないので。いっそサニーデイが到来する気配がなく、部屋の中で威容を放つ洗濯物たちが一向に乾かない。厚手のバスタオル2枚が特に乾かない。この季節の太陽は、長時間浴びていてもそこまで辟易しない。もしも三半規管が永久に続く耐久値を持っていたなら、晴れた日の河川敷で、どこまでも続く斜面を身体の360度に太陽をまぶしながら転がり落ちていきたい。

ふわふわ卵とその側にあるオムライス

左半身を下にして寝ると皮膚が疼くので、床ずれを起こしたらしい。でも、右半身を下にして寝ても皮膚が疼く。床ずれを起こしたらしい。よって、背中をべったりとつけて天井を正視する姿勢で大人しく寝るしかなくなった。ただ、その正則な寝方は、なんというか、平板でつまらないのである。横になった方が体重のかかり方が不均一になりエンタテインメント感がある。もしかすると寝ている間に一方の半身が他方の半身の重さに負けて潰れてしまうのではないかというハラハラドキドキがある。眠りに落ち込むまでは、そんなしょうもない事を考えるのりしろがある。のりしろで遊びすぎると、手が糊でべたべたになり色んないらないものがくっついてくるから要注意だ。何日前か忘れたが、バナナマン×東京03から成るコントグループ、HAND MADE WORKSの第2回公演のDVDが家に届いた。最高だ。チケットの抽選に外れたので生では観られなかったが、後から観られるだけでもテクノロジーに感謝してもし切れないだろう。おすすめはチャプター1「中心人物」とチャプター2の「祝儀袋」です。これも生で観たらな〜。毎回微妙に違うパートがあってそこも面白かったんだろうな〜。私が劇場で直接観た小林賢太郎主宰、コントマンシップカジャラの第4回公演のDVDは12月に出るらしいです。あれもものすごい面白かったからね。三者面談シリーズはずっと笑ってたからね。どの回が収録されるんでしょうね。昨日の檄臭肉塊の入ったビニール袋を捨てるために外に出ると、とにかく寒いなと思った。まだ半袖半パンのパジャマを装備しているからかもしれないが、にしてもツマミをじわじわ回転させるのではなくチャンネルをバチっと切り替えるような急峻さで季節が閃いており、視界を奪われて足元が覚束ない。寒いから布団が気持ちいい。そろそろシーツを洗おうかなと思っていたらま〜た雨が降り出したのだが、少しだけでいいのでコンスタントな日和に戻りたい。午後の変な時間にお昼ご飯を食べた。山椒が強い、すげえ強いと自称のラーメン屋で、見るたびに少なからず行列ができていたので気になっていた。変な時間に行ったらそこまで混んでいなかった。店内は店名に合わせてコンセプチュアルだった。こういうとこに金かけるのねと思った。麺は中太くらいでよく分からなかったが、麺にそこまで詳しくないからか、スープが美味しかった。味噌ベースに山椒と、あと何かの香辛料が厨房に見えたが、ずっと飲んだ。自己申告ほどバキバキに痺れたわけではなかったので、知らぬ間に山椒耐性が上がっていたのかもしれない。卓上の特製パウダーみたいなものをかけてやっと何かを掴んだ気がした。一読であの店名をずばり読み下せたらすごいと思う。

ぶりぶりヴルスト

いつ買ってきたのか忘れた、多分月が変わる少しだけ前だったはずだが、業務用1kgフランクフルトの袋が冷蔵庫の中にあった。まともな晩飯を食べる気が起きない時に、適当に調理してそれを2本くらい食べればちょうどよかった。翌朝胃もたれして起きていたので身体に良くはないのだろうが、思考停止するにはちょうどよかった。今日もめんどくせえなと思って温め用のタッパに中身を開けようとしたのだが、ほんの一瞬だけ、異臭というか「臭」の集合体、概念の煮詰まったような香りがした。袋の裂け口に鼻先を持って行き、すんと軽く吸い込んでみると、頭の中でただひとつ、紛う方無きあの匂いが明滅した。お尻の穴の匂いがした。お尻の穴の匂いがした。お尻の穴の匂いがした。大事な事なので3回もリフレインしてしまったが、まだそれなりに数の残った肉棒の群れからは、お尻の穴の匂いがした。当事者の私も意味が分からないので字面で追っている方もさっぱり分からんちんだろうが、間違いなくそこにはお尻の穴の匂いがあった。くせえと思った。ビニール袋貯蓄エリアから、手頃なコンビニ袋をひとつ急いで引き出し、突っ込み、口を閉じてから同じく冷蔵庫の中でもやしのように細くなってしまったきのこの株があるのを思い出してそれも入れて、数ヶ月間に渡って冷蔵庫の冷凍コーナー(冷気が出過ぎて凍る場所がある)で沈黙を守らせて見て見ぬ振りをしていたぼんじりインジップロックも道連れとした。旅は仲間が多い方がいいだろう。ぼんじりに至っては、何か緑色の汁が凝固した跡があった。何だったのだろうあれは。知らぬが仏という言葉を知っているだろうか。私は、固く固く口をふんじばってゴミ箱に入れた。どす、という重量感とともに、ゴミ箱の水位が沈んだ。残念だが、尻の穴の匂いを嗅ぎながらご飯が捗る趣味嗜好ではなかった。最後にちらと見たところ、フランクフルトの消費期限は十月八日だった。今が、十七日なので、つまり。その間に2回ほど食べた気がするが、死ななかっただけよしとしよう。防腐剤的なあれとかそれが切れたのか、それとも本性を現したに過ぎないのか、私には計りかねるが、ある種のフランクフルトを劣化させるとお尻の穴の匂いがするという世界の真理をまた一つ尻、知り、どうすればいいか分からず持て余し、話のタネとして消化するような人も周りにいないので、せめてどこかの誰かがこの素敵ならざる鼻曲がりの事実に何かを見出してくれればと書き残しておくが、去って行った食欲の書き置きだけがどこにも見当たらない。

しあわせの赤い雲

アップルパイが来ると思った? 残念、チェリーパイでした〜! 突然気温が下降して寒くなった。秋が来ると思ったのに、一足飛びに冬の爪先が見えてきた。どうしてだ。朝、家を出ると鼻がくんくんと蠢いた。くんくん。いい匂いがする。いつものあれの匂いが。玄関の目と鼻の先に、2メートルは優に超えそうなでっかい金木犀が植わっていて、かなりの密度で優しさの甘ったるい匂いをぷんぷんさせていた。目の前のお家にもたくさんの植栽が密集しているので、玄関扉を開けた時とお家の門を閉める時と、2回の金木犀チャンスがある。どうせ出目は全て同じなのでよく出来た出来レースだが。腐らなければいい匂いである。おそらく大家さんが掃除してくれるか、さもなくば風に飛ばされてどこかの路上で小さなつぶつぶへと分解して元の姿を想像され得ない見えない何かになるのだろう。道を歩いている時に抜けた髪の毛とか、一体その後はどうなっているのだろうか。前の前の家のベランダで適当に散髪して、大してまともに片付けないまま2年と少しを風雨太陽に野晒しにし続けたが、そこまで量が減らないまま残留を続けていた。髪の毛は思ったよりもなくなってしまわない。じゃあ、風に連れて行かれて世界へと解き放たれた俺の毛髪何億分の一は、何がどうなってどうしてどこへ帰結するのだろうか。ある毛髪の一生、というドキュメンタリー映画が観たい。誰かとご飯を食べるので、そういえば前に行ったあの店評判はどうなったんかなと検索したら、星1の不衛生爆裂低評価レヴューがあるわあるわの入れ食い状態で、ついでに閉店していた。面白かった。私が行った時はそこまで致命的な状態ではなかった、はず、なんだけどね。店内の至る所でゴキブリミッキーマウスとミート&グリートできたらしい。それはまあ、確かに。普通に、語彙を尽くすまでもなく嫌だった。でも閉店するほどとは、よほどのよほどだったのだろうよそれは。ビルの地下空間が巨大害虫育成ファームにでもなっていたのかもしれない。よほどツイてなかったんだろうな。南無三。なので店を探さなければ。鶏肉が好きだから焼き鳥の店ばっかり探しちゃう。入った事ないけど。酒が出なくて焼き鳥だけ食べられる店が欲しいな。昼に食べたコロッケロールは、ものすごいマスプロの味がした。変な味だった。なんか入ってるんとちゃうの〜〜〜? あれならどこかでお弁当を買って金銭と交換にQOLを高めた方がよかったかもしれない。部屋も寒いので半纏を引きずり出すか。

形の骸

ロープレッシャーなデイリーライフがここまで続くのは久しぶりなので復調の仕方が分からなくなった。筆箱の中に入っていた、謎の棒状チョコレート菓子をやっと取り出した。うっかりすると気温でべたべたに溶け出して文房具を巻き込んだ一億総災害時代がやってくるところだったというのに、まあなんとなくめんどくさいし……という理由で放っていた。今日私誕生日だから〜という理由でお茶目な人から今夏にもらったものだ。誕生日に、あえてあげるという選択。あえてとつけると大体それっぽくなるから、この手のずるい語彙はそのうち試合内使用制限がかかるのではないかと思っている。強い人が強いカードを使うとものすごい強いというか、強い人って強いから強いんだよね。何て言うのかね。狩る力というか奪い取る力というか。力(ちから)イズパワーの等式をそこに見るよね。この力(ちから)には、頭に色々文字をくっつけて展開してみてもまあ大体一緒っすよ。あれとかそれとか。俺は、あれだよね、力を欲する力が欲しいよね。欲しがり筋みたいな。何かをするのに必要なベーシックインカム的なものがあって、欲望におけるそれが欲しい。欲しがるための欲。精神分析のファルスとか、こんな感じのものじゃなかったかしらね。違ったかね。夜寝られないと、暇で暇で仕方がないから、寝返りをうつ行為さえルーチンワーク化して脳味噌がそっちにメモリを割かなくなっていらん事ばっかり考え始めるけど、睡眠薬をラムネみたいな感覚で一粒一粒味わいながら摂取していったら、一気に服用した時みたいに死に至るんかね。そもそも死ぬほどの睡眠薬を嚥下するの大変じゃない? 固形×いっぱいでしょ? 喉のキャパシティが、もう、溢れ返り下水道じゃん? そんな色々をすっ飛ばして結末に至るからこその自殺の凄味みたいな事なのかな。水道水で薬飲むと不味いんだよな。頭の中に、アナログテレビを置いて、デジタルじゃないよ、映らないチャンネルとかアクティブじゃない入力を画面に呼び出して、ザーッて横に流れる白黒の砂嵐、あれ、その状態のテレビを縦にして、縦になってる辺を地面と水平になるように置いて、そうしたら縦に砂嵐と雑音が流れるから、それが今の頭の中。縦に、重力に従って入力したものが上から下にザーッて。全部流れて、滝壺なのか浄水施設の入り口なのかは分からないけど、そこにひたすら身を投げ続けるだけ。なーんも残らん。虚無っとぷりきゅあ。

しゃいで、しゃいで

起きてしばらくしてから、今日が祝日だったらしい的な事っぽいのを知った。全然知らなかった。やりたい事があったのに、それを知った瞬間に身体と心から内容物が全て流れ出て、踏み潰された水風船みたいになった。一昨日も昨日も、何事も考えずただただ呆けて過ごしたが、今日はせめて買い物だけでもと思っていたのに出鼻を蝶番に挟んでへし折るかのように雨が降っていて、あんだけ降ったのにまだストックがあるのかよと思った。そもそも、あんだけの水が空の上の方にあるという事が未だに納得できていない。出鼻がどこかに行って、呼吸ができなくなったので、頭が完全に麻痺して窒息して全てが終わり、肉の形をした入れ物として床に這いずった跡をつけたりつけなかったりした。初っ端を忘れるくらいずっと続いている頭の鈍麻、なまくら具合にそろそろ腹を立てようにも立ち上がろうとするとへなへなと力が抜けてどうでもよくなるのだが、これを払拭できるよ頭がスッキリするよ痩せられるよと言われたなら、なるほど人はこういう状態の時にドラッグへと手を伸ばし染めるのだろうなと納得がいく。その先に待っているのはworse than 今なので、あと金回りが怖いのでやらないが、どうしようもないのでどうしようもないもので紛らわせたって一緒だろという情の流れは、分からないでもないところがある。多分、こう、ダイナマイトでどっかーんしたら気持ちいいんだろうなと思うのだ。肉片は拾い集めて棺桶に入れてください……。自分の生のイニシアチブを自分で握りたくないので、椅子に座ってぼんやりとバナナマンのライブDVDを観返していた。面白いねえ。何日か前まではひたすらラーメンズのコント100本をシャッフルで流し続けていて、欲が湧いたのでバナナマンに返ってきた。面白いねえ。どうやったらこんなのが書けるんだろうねえ。なかなか完治しない手荒れに、考えるのをやめてとりあえず寝る前にニベアを塗りたくって横になり数時間寝付けなかったりそこまで深刻でもなかったりして、悪足掻きで自らのHPをバシバシに削り続けながら、おててのニベアがシーツについて時間経過とともに黄ばみ、やばい目ん玉の白かった部分とか、やばい皮膚の黄色くなった部分みたいなカラーを呈している。他の部分はそうでもないのに、おやすみなさいと布団を首元まで引き上げる時にひっつかむ部分だけが死の床みたいになっている。俺は、たとえまやかしであってもバイタリティが欲しい。

轍に貯まる出汁

再起動したら外が白い縦線のノイズで一面引っかき傷だらけになっているものだと思ったら、気持ちのいい開けっぴろげな晴れが見えた。昨日の深夜、凪のようにぴたりと全てが止まり、リモコンの停止ボタンを誰か持っていたのかしらと思うほどにONとOFFが入れ替わったので、俗に言う台風アイに突入し、再び騒乱と騒擾が荒れ狂うのかと待ち構えていた。どうやらものすごい勢力とものすごい速度で立ち去ったらしい。私がいる所ではただ雨風がヤケクソに入り乱れただけで実害は発生しなかったっぽいが、他のところはすごいみたいですね。地元ですごい雪が降った時とか、土砂崩れが起きるほどの雷雨が爆裂していた時とか、ネイチャーのパワーをみしみし感じる。環境の一要因に過ぎないのだという事を思い出すので、たまにこういう機会があってもいいとは思う。適度に。ヒュブリスしないように、教育的にいい感じでしてほしい。難しいわ、折り合いつけるの。ただついているだけ、重く垂れこめるような頭に耐えられず無為を無為で巻いて無為した無為のミルフィーユ仕立てに甘んじた日に続き、起きた瞬間から頭がローパワーモードで起動された事を悟り、悲しい気持ちになる気持ちの余裕もないままガワだけのてるてる坊主みたいにぼーっとしていたら夜になっていた。さっきまで夕方3歩手前みたいな色をしていて、洗濯物がそろそろ乾いたかしら、今日みたいな日和で乾いていなければ俺はきっとパラレルワールドに反復横跳びしてしまったんだろうなと視線を外すと、アクリル絵の具のジェットブラックがべったりと伸びていて、気候が情緒不安定にパフェの上部と沈みを入れ替えたりしている中で、季節は着々と歩みを緩めずに近づいてきているのだなと思われた。肌寒さというほどではないが、意識するとぶるっと震えるような温度の低さが空気に混じり始めている。道理でミルクアイスバーを食べた時になんか寒いなと思ったわけである。そろそろ鍋がおいしい季節というか、鍋が便利な調理なので鍋に逃げ込む季節が始まるっぽい。鍋の「味」を作るにあたって、手段と方法は色々あるのだが、値段が多少張る分、パウチみたいなでかい密封袋に入っているタイプのベース液で作るのが一番美味しい。あれは4人分くらいあるのでうっとなるが、口を開けてからキッチンクリップみたいなアイテムでふんじばっておけばそこまで気にしなくてもいいというか、それを気にするような人は初めからそんなもの買わないだろうから。頭痛えなあ。