ピーマンの空間がもったいない。火星を居住空間に改造するくらいであれば、ピーマンの中に住めばいいと思う。居住者が死んだら、そのまま火葬にしてしまえばピーマンの肉詰めができる。
宇宙人とも仲良くなれる気はしないが、彼らの喋る言葉を理解してみたくはある。そんな時に思いつくのが翻訳こんにゃくなのだが、あれはどれだけキワモノのこんにゃく芋を使って生産しているんだろう。もしかしてラリる薬が入っていて、相手の言ったことを理解した気になる幻覚を見ているだけではないのか。
空気中にもそんな薬が撒かれていて、毎日私たちは人と理解しあっている幻覚を見ているだけではないのか。テレビから、ラジオから、新聞から雑誌から、もはや私たち自身から分泌物がでろでろと流れ出しているんじゃないだろうか。
ピーマンの中に閉じこもれば、ピーマンが嫌いな人からは、接触しないので嫌われずに済むし、ピーマンの中は広々しているから嫌いではない人たちと触れ合わずに済む。ピーマンの中は、ディスコミュニケーションのユートピアなのかもしれない。
料理の時、種が四方八方に飛び散るのは勘弁だ。