他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

寸金詐欺に遭った話

いや~、本当に不思議なことが起こるものですね!

 

というわけで、今日は寸金詐欺に遭った話をします。

 

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家路につき、公園を気分よく横断して外に出ようとした刹那。

 

「バス乗り過ごしちゃって、あと今お金なくて、家に帰れなくて、お金貸してくれませんか?」

 

骨子こんな感じで10歳くらいの男児に声を掛けられた。

すぐさまピンとくる。これは寸金詐欺だ。

地下鉄丸ノ内線で遭遇したことがある。「駅員に言ってどうにかしてください」と言って、BBAにブチギレられた。

英国の路上を歩いている時に、断ったら中国人と間違われた挙句「(ピー)を(ピー)する(ピー)め! (ピー)!!!」と散々貶された。

多分あれだ。それだ。例え相手が年端のいかないティーンエイジャーだろうと、昨今の子供を使った詐欺は枚挙に暇がない。来やがったぜチルドレンクライムの波が。

「今現金ないんだ」と言えば「あそこにATMあるから!」と指示され、返して「警察行きなよ」「公的機関に電話してやるからどうにかしろ」などと言ってみたものの、オフィシャルをちらつかせると、ぐずぐずとよく分からん事を言いおる。典型的な行動パターンを晒しやがって。

ずるずると追いすがって来るので、「ちょっと待って」と伝え2分ほど考えているふりをして立ち止まってみた。思考停止してたけど。

……。

待ってやがる……。何なんだ……。ちょっとほんとに……。

え……?

これは……本当なの?

「いくらって言ってたっけ?」

「500円です!」

500円か……。さっきからずっと「明日ここで返します!」「小切手で返送するんで!」(今考えたら子供が小切手とか言い出すのが怪しいな)って言ってるし、返ってこなくても500円ならまあ、痒い程度の出費かな……? まあ、面白い話になって済むのかな……?

なので。

 

貸してみることにしました。

 

あんまり現金を持ち歩きたくないので、あとなぜか少年に「1000円引き出してくれればいいですよ!」と言われたので、ATMで札を1枚引き出す。

さてどこかの店で崩さないと多目に渡しちゃうぞ、と見回そうとすると、少年は前のめりに「それ渡してください! それ!」とのたまう。

 

お前さっき500円でいいっつったじゃねえか。

舐めるな。

 

とは言うものの、「今俺は詐欺られている真っ最中だ」という意識に先程から体力を奪われていたため、面倒になって住所と一緒に渡す。

返せよ。

すると突然、

 

「僕のお父さんどこにいるか知りませんか?」

 

知らねーよ!

 

「明日家に帰って来るんですけど、2000円お金借りてて……。お母さんともアレで、絶対明日返すんで、もう2000円貸してもらえませんか?」

 

もっと知らねーよ! 気を良くして更にたかろうとするな! 家に帰れ! まずはそれからだ!

……その思いを飲み込み、「まだ他に一杯人がいるから、その人たちにお願いしてくれ。俺には1000円が限界だ」と言って別れました。やっぱり追い縋られたけど。

 

ふと振り返って目に入った少年は、夕日に向かって悠然と歩いていました。

 

あ、これはやっちまったな。

 

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ちなみに、過激な表現になることを避けるために婉曲的な描写をしていますが、実際はもう少し多い金額を詐欺られています。

子供に犯罪をさせては、ダメ! 絶対!

一週間分の食費がパァになりました。