他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

アンパンマン郷

少しの間だが、家から離れたところで生きている。自分探しに出ただとか、夢を見つけただとか、そういうのではない。気がついたら、ここにいたのだ。誘拐された、とかいう話でもない。誘拐された上で今までのような日記を書けるほど、私の精神は図太くないと思う。もう少し細く、頼りないものだ。拐かされてなお、飄々とヘラヘラとしている人は、肝が瞬間接着剤でくっついて座ったまま取れないか、ちょっとあそこがどうかしているかのどちらかだろう。なぜか誘拐される話をしてしまった。別に、やたら高くて分厚い壁に囲まれ、はるか高くにこぢんまりと開いた窓からわずかに差し込む星の光に胸を締め付けられているとかそういうわけではない。まともなご飯を食べているし、まともなお布団で夜な夜な寝ている。夜な夜な寝ている、というのも変な言い方だが。郷に入っては郷に従えと喧しく言う人もいて、それはまあそうだろうなと思わないでもないけれど、私は郷の中の一軒家に閉じこもっていたいので、郷に行って郷に従わないために自分の中に小さな郷を立てて、表には出さないまでも、小さな声で独立宣言をして、面従腹背しながら生活する。するし、したし、経験からすると多分環境が変わってもやり方を一切変えず、ちいさな郷を守り続けるために食わなくてもいい割りを意地で被り続けそうな気がする。郷と言ったって、一軒家と言ったって、そんなに大したものではない。レンガの家ではない。吹けば飛ぶ。国旗はきっとお子様ランチについてくる程度のものだ。それはしかし、シルバニアファミリーの家がかけがえのないものである人もいて、掲げられた旗に救われる人もいて、それらを是としないのは私にはできない。隣の家もまた別の郷で、その中で隣人は必死に彼彼女の郷を護るのに精一杯、精なんていっぱいなくて、絞りカスみたいな動機を無理にしゃぶっているのかもしれないけれど、精一杯頑張ったり頑張る気力もなくて寝っ転がっているのかもしれない。守りたいものがあるのに守ろうという気力が起きないのも、別にいいと思う。鼻くそをほじれるのが平和だ。なんか全く関係ない話を長々と書いてしまったが、詰まるところ煮詰めたところ、私が何を言いたいのかと言うと、今住んでいるところでは、理由はよく分からない不明なのだけれど、水栓で水をひねるとお湯が出る。??? しかも、結構熱いお湯が出る。しばらく放っておくとぬるいくらいの水が出てくるのだが、それにしても、一体全体どうしたことやら、頭を冷やそうにも暖かい水しか出てこない。困ったなあ。