他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

そういう組み合わせの美味しいふりかけもあるのに

米を地元から送ってもらったので、かつてよく食べていた、なんだかよく分からない正体不明の炒め飯を作った。適当に炒めて、適当にご飯を入れて、マヨネーズとかソースとかの手近にある調味料を入れるだけの、要求思考量がとても少ない料理である。こんなにたくさんの量(かつてはこれくらいを毎晩食べていたから、胃袋が縮んだということになるのだろうが)を食べる事は最近とんとなくなっていたので、身体が慣れたカロリー量を超過し、変な感覚がしている。料理をする際は、材料をスロットに入れて考えている。このスロットは、枠組みというか、そんな感じのアレだ。野菜スロットには必ず玉ねぎと人参が入っていて(理由、玉ねぎ=手癖、人参=手癖とカロチン)、きのこがシメジだったりエリンギだったりエノキだったりする。緑色のキャベツやらほうれん草は、スーパーに買い物に行って忘れなければ入る事もある。いざ実地スーパーに立つと、何を買わなければいけないのだったか忘れている事が本当に多い。ルーチンでルートを周り、毎回必ず買うものをカゴに入れると満足してしまうので、出かける前に携帯メールの下書きにメモしておかないといけない。で、その「食肉枠」として鮭を入れた。鮭は塩鮭だとかフレークだとか、処理がしてあるとしっかり味がするのだが、すっぴんの鮭は言語表現域に達しないような、とても微妙な味がするだけなので難しい。塩のおかずに食べているようなものとも言えてしまうだろう。塩鮭とは言い得て妙である。叙事の順序からして塩に負けている。まあそれはともかくとして、なんだか具が寂しいと思ったので、なにかもう一つ加えようと思った。選択肢の中に、ワカメがあった。水に浸すとゆるゆる増えるワカメである。商品名に「増える」と入っているワカメは、ものの数十秒で手がつけられないほどもりもり増え増長するパンデミックフードであるけれども、これはプライベートブランドの大人しめのやつなので、たまごアイス(おしりをちょん切るとぶりゅぶりゅ出続けるアイス。『だがしかし』だとおっぱいアイスだった)みたいな惨事にはならない。さて、しかし、私の手はそこで止まった。「鮭+ワカメ」の演算を、脳が拒んだためである。おかしい。なぜなら、おにぎりにまぶすタイプの商品で、「鮭+ワカメ」が採用されているものがごまんとあるからだ。この後に及んで、海産物たちの絶命後の逢瀬を妨げる理由などないように思われた。にもかかわらず、私はワカメを水で戻さなかった。べろべろに膨張したでろでろのワカメと、フライパンの中で加熱される鮭とがどうしても噛み合わなかったからだった。一体何が障害だったのか、いまいち合点がいっていない。