他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

「この厚化粧が」

でっかい、マグロの血合いを買って来た。でっかい血合いを買ってこようと思ったわけではない。上っ面の方が、切れ端として売り出されている割には綺麗な身・色だったので、これは掘り出し物お買い得だぞと買い物かごに放り込み、家に帰って最上面を覆っていたピュアピュアな身を剥がしたところ、その下一面5センチくらいの厚さが血合いだっただけのことだ。軽い詐欺に遭ったような気持ちになった。完全に、客はこうやって綺麗な身で上を覆っておけば勘違いして買って行くだろうといういやらしい策略にはまってしまった。私は悪くない。悪いのは、鮮魚部の性格が悪いパック詰め担当だ。血合いというのは、加熱すると意外にもまあまあ身がついていて「これならまあ見逃してやらんでもないかな!」と自分を納得させられるようなものもあるのだけれど、今回のものは、鍋の中を覗き込んで見ると、上っ面以外ほぼ真っ黒けだった。煮汁を味見してみると、なかなかの血臭さが潜んでいる。一緒にネギを入れ、醤油とみりんでてろんてろんに煮付けたつもりなのだが、これでもまだその存在輪郭を失わないとは、血合い、恐るべし。ただ、あまりにも血の匂いが残らなければ、イカの内臓とジャガイモの煮物のように、コクみたいなものになることもある。……。イカの内臓とジャガイモを煮物にするのは一般的なのだろうか。実家ではたまに出てくる。美味しいよ。イカ肝とジャガイモのつぶつぶした食感が、内臓のブラックな濃厚さで包み込まれて、すごくご飯が進む味をしているよ。お酒が飲めるなら、肴にすればいいと思うよ。まだ料理の要領をよく分かっていなかった時は、「イカの内臓=コクになる=美味しい」というトンデモ三段論法で加減もせずどかどかぶち込んでいたが、入れすぎると内臓の成分が粉っぽくなり、内臓器官としての臭みが爆発し、アクみたいなもので料理がどろどろになる。見た目も匂いも舌触りもよくないので、イカ内臓を使おうという時には注意されたし。ちっこいの2つくらいを入れれば十分だ。店頭でS&Bのシチュー・カレールーを品定めしていると、パッケージの感じが全く変わっている事に気がついた。感じというか、実体が変わっていた。なんと、パッケージの8角が(四隅が天・地の2面あるため)丸くなっていたのだ! どこにも尖ったところがない。お菓子の源氏パイくらい、どこにも尖ったところがない。つるんつるんした、すごくニュートラルなプロダクトになっていた。手に持って見ているだけでも面白かった。丸〜い。では、血合いが煮上がったので、うどんと一緒に食べる。