他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

そうめん枕という字面だけなら

薬局を通りがかった際に、店頭販売の白髪染めPR音声から、「しらがさーよならまっくろけーっ!」という、何とも言い難く珍妙なフレーズが耳を突いた。商品名を控えていないのでどういうアーティクルの広告だったのかが分からないが、かなりおかしな方向性であった事は確かだ。文字起こしすると、本当に「しらがさーよならまっくろけー!」としか転写できない。珍妙という形容詞が、珍にして妙という形容詞が痛く似合う。なかなかない出会いをしたと思う。タクシーの後部座席を隠すように、リアガラスに『眠眠打破』のステッカーが貼ってある事がある。リアガラスはずっと横のガラスの事だと思っていたが、実は後ろだった。タクシーに眠気覚ましドリンクの広告が貼り付けられているのを見ると、何とも不安な気持ちになる。タクシーの運転手とか、バスの運転手とか、高速バスの運転手とかは、絶対に運転中眠くなってほしくない職業ランカー常連である。そういう場にそういう広告があるという事は、つまり、「私たちも眠くなる事があるんですよ、でも、そんな時、この商品があるから大丈夫! お客様を安全に目的地までお運びいたします!」という事で、人間の弱さを曝け出している(悪い意味ではない)アドだなあ、と思った。眠眠打破という、一瞬ふざけているのかと思ってしまうネーミングの商品である事が気にかかるが、レッドブルモンスターエナジーを飲んでギンギンにキマり猛スピードでデッドヒートチェイスを繰り広げられるよりはよっぽどいいかもしれない。「そこの角を右」とか言っている暇はないだろう。2点間の最短距離は、その2点を結ぶ直線である事は、みんな知っている。後は、その線分を引く勇気だけなのだ。キャベツの味噌汁なる変わり種メニューに面白い気分になっていたら、最後になって、汁の底から鯖身の塊が姿を現した。味噌汁のくせにやけにしょっぱいなと思っていたが、それに加えてこれほどまでの伏兵が隠れているとは思わなかった。これは魚介だしとでも言えば良いのだろうか? ずっと言いたかった事を言いながら食べたのだが、そのせいでずっとお腹が痛い。昔、言いたかった事を言った時には、地に足がつかない心地になってずっとぐるぐるしていたのに。受け止める足腰が、しょぼくなってきただけかもしれない。私はどうしても、欲しいものが欲しいのは手に入るまで、一番欲しいのは手に入るその直前までだと思ってしまうから、それ以降に熱量を持ち越せない。バナナみたいに、悪くならないうちに食べてしまえればよいのに。