他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

口移しという調味過程について

冷蔵庫の中で数カ月に渡り放置されていたチューブタイプのウェイパァーを処分するため、フライパンに投下した。チューブタイプの避けられない運命であるが、入り口の方に少しだけ、根気よくほじくり続ければほとんど掃討できるものの、そこまでして頑張りたくない程度に内容物が残る。最後なので、チューブ口が多少汚れようとも痛くもかゆくもないという事なのだが。今日の私は、何を思ったか、「後で口に入れば、腹に入れば一緒だろ」という思考に基づき、口で内容物を吸い出し、それをフライパンに適宜移していくというバケツリレー式人工呼吸とでも呼ぶべきメソッドを思いついた。浅ましいのでなかなか思いつかない気がするが、振っても振っても出てくるし出てこないので、これはもうこの手段に訴えるしかないと思ったわけだ。数カ月放っておいたかと思ったら別れの瞬間にはこれなのだから、非常にめんどくさい性格をしている。善は急げとばかりに、チューブに吸い付いた。ちゅぅぅ。出た出た。思ったより出ないが、出ないよりはよほどマシだ。一円もないよりは、一円はあった方がいい。一円を笑う者は一円に泣くらしいが、現代では一円くらい笑い飛ばす気概がある人物の方が表に出ていくのではないかと思ったりする。ともかく、この鶏ベースペーストをフライパンに移さなければならない。ふと、魔が差して、味覚に意識をやった。口の中にものがある事はそれほど珍しい事ではない。ただ、ウェイパァーの味がどんなだったかしらん、と気になったのだ。味蕾が爆ぜた。しょっぺ。しょっぱかった。冷蔵庫の中で虎視眈々と雌伏の時を過ごしている間、じわじわと水分を飛ばして、その濃度を限界まで高めていた。よく見れば、私の記憶よりも数段クリーム色が濃い。人生で初めて、そう言おうと思わずに「ぐああ」と口にしながらフライパンに吐き出した。小指の先ほども絞り出せていなかった。目の前にあるウェイパァーのチューブを途端に恐ろしいものに感じ、ゴミ箱に放った。鶏ガラベースって嘘だろ、と思うほどに塩の味しかしなかった。骨髄溜まった恨みで、背後からぶすりとやられたような気分になった。アニメイトにカガクチョップの新刊を買いに行ったところ、悪魔のメムメムちゃんの新刊が出ているのに気が付いた。ネットで最新話をさらっと読んだ時に、簡潔にまとまったコントみたいだと思ったので、衝動的に全巻買ってきた。久しぶりに年齢指定のない本を買った。ご飯食べたら読む。