他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

トーラスの車輪に乗って

大家さん側に通じる玄関を通り過ぎたところ、意外な事にというか予想もしなかった事に、季節感を大事にする性格をしておられたらしく、表札と玄関扉にクリスマス飾りが施されていた。正月に注連縄、家柄によっては国の休日に日本国旗を掲げたりするものだが、結構お年を召されているのに、ポップなクリスマスというイベントに参加しようという意思をお持ちであるのはなかなか珍しく面白いなと思った。へんてこな敬語になってしまったのは、適切な敬語を選定する過程が今は上手く機能しないからである。クリスマスに意識を向ける人だったんだ、という新たな発見として、前向きに捉えている事は注記しておきたい。この様子だと、もしかするに、クリスマス当日に私の家の方に何かしらを持ってきてくれるかもしれない。その可能性は十分に余白が残されていると言ってよい。よしやそのような事態になった時のために、何か返礼品を用意しておきたいが、そういう交流とは疎絶されて生育してしまったがために、何をお返しすれば良いのか分からない。一足先に鏡餅でもお返ししようか。しかし、鏡餅って人から渡されるものじゃないよな? 餅でも撒くか……。ぐるぐる色々考えている。普段「お返しはいらないよ」と言われれば言葉を字面通り受け取って、ありがたく拝受するに留めておくものなのだが、大家さんともなる現代においてもなかなか微妙な立ち位置となると、これは身の振り方一進一退を多少真面目に考えてしまう。意外と気にされないかもしれないが。予定時間を一時間遅く間違えた末、ついでに一時間遅く到着した先で、かなり得るものの薄い時間を過ごした後、よく分からない食事を経て、前に街をふらふらして焼き鳥を食べに行った先達と加えて一人と、ついさっき(23時30分)までミスドをいっぱい食べるというイベントが発生していた。店舗の2階のトイレ前隅っこで、男3人が大量のドーナツを前に情報交換と雑談をしている姿は、考えうるかなりの部分が具現化する都市においては意外と目立たなかった。隅っこが故、机と椅子の位置関係が変な事になっていたという欠陥はあったが、それは別にしても、夜も深まり始めているとは言え実に多様な人々がミスドに来店するものだなと感心した。私は長らくミスドに来るのはドーナツを食べるためだと思っていたのだけれど、隣に座った女性二人組はまさかのパスタを食べていたし、男2人が仲良く机二つを占拠して楽しそうにしている光景もあった。鶏そばという普段は絶対に頼もうとも思わないメニューが、なぜだか美味しそうに見えた。