他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

あれは仲介役だったのか主役だったのか

渋谷の方に呼び出されたので、早めに到着して千里眼に行った。私の中では、老化=食が細くなるというひとつの定式があるため、身体にはあんまりよくないとは思いつつも機会を見つけては胃袋の調子を確かめる事にしている。セルフチェックというやつである。最後に行ったのはいつか忘れたが、豚が美味しい記憶が残っていたので、豚を一枚追加した。初めての経験である。細かく指定するのは面倒なので、いつも「全部」と返答する。が、声が通らないため、毎回聞き返される。これとあれとそれ、と言葉数多く言い直すのが面倒なため、三文字で済む経済策を採っているのだ。かつてよりも汁がこぼれた。ズボンがとても汚れた。美味しいなどの感想に脳味噌が至る前に、意識が「完食せよ」との指令を送ってくるだけになった。生にんにくの強烈さを思い出す。無修正である。もう無理かもしれないを箸で押し流し、汗を垂らしながら食べ終えた。今日は暖かい日だったのだ。上衣を脱いで歩くと気持ちのよい温度で、風に吹かれてバラバラと落ち葉が散りゆくのが午後の光の中でよく見えた。いてもいなくてもよかった用事に付き合い、報酬で他の要員と焼鳥を食べた。すごく偏向した話題ばかり取り上げていた。私以外の誰も、サーティワンのポッピングシャワーというアイスを知らなかったので、存在証明のためにサーティワン店舗に行こうとした。23時前なのに、もう閉まっていた。ラーメン屋みたいに、スープがなくなったら、アイスがなくなったら終わりなのだろうかと思った。甘味が欲しくて、タピオカドリンクを探して、専門店が無情にも営業終了しており、結局ウェンディーズで買った。今まで、見た目重視だろ、と馬鹿にしていたが、タピオカ粒にも甘さがついていて美味しかった。実体験に勝るものはないな、と考え直さざるをえなかった。タピオカごめん。タピオカドリンクを一緒に買った誰もインスタグラムをやっていなかった。私は心のアルバムという機能が存在すると思い込む事にしている。本当に強烈な瞬間だけは、やけに記憶に残るものだ。旋盤でベニヤ板を押し切っている最中に、ものすごい音を立てて糸ノコの歯が変形して折れる時とか。無表情で、しかし心中では「タピオカ美味しいな……今まで軽んじていて本当にごめんな……」と観想しながら駅の方へ歩いていると、改札前で、下心というのか、「卑」の漢字を抽出したような表情を浮かべた男性が、道ゆく女性に「お姉さん、パパ活に興味ない?」と手当たり次第(ターゲットは多少絞っているであろうが)声をかけていた。都会ってすごいなと思った。