他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

ごはん……なん、ですか?

直近の食材買い出しにおいて、なかなかインパクトのある商品を見つけたので、ついつい買い求めてしまった。それらすなわち、桃屋の『ごはんですよ!』の「柚子こしょうのり」「唐がらしのり」という、まさかのバリエーションが存在していたからである。売り場のポップを信じるならば、「唐がらしのり」の方は新発売らしく、それはつまり、私が知らない間に「柚子こしょうのり」が市場に送り出されていたという事に他ならない。ならないのである。今まで生きてきて、「『ごはんですよ!』に味のバリエーションがあったらなぁ……」と思った瞬間は、正直言って一度もない。豚骨ラーメンが豚骨の味がするように、ナポリタンがナポリタンの味がするように、板チョコが準チョコレートの味がするように、ごはんですよごはんですよの味だと思っていた。他に伸び代を見出す余地を、はなから存在しないものとして見ていた。ガンダムのように派生していくものではなく、「薬缶」と書いた時のヤカンのように、それと言えばあれ、という強固で密接な一対一関係を築き続けるものだと思っていたのだ。そこに、まさかの「柚子こしょう」と「唐がらし」である。困惑しないわけがない。「あのなマサル、父さんと母さん、マサルに言わなきゃいけない事があるんだ……」と言われて、まさかの「実は、マサルにおじいちゃんができる」と続いたような、「?????」の感覚に近い。山口だか岡山だかに錦帯橋という観光スポットがあって、百種類以上に登る頭のおかしいフレーバーを取り揃えたイロモノソフトクリーム屋があるのだが(今もあるかどうかは知らない)、あそこの「生にんにく」に匹敵するパワーがある。一応、パッケージにはごはんですよシリーズの血脈を継ぐものだとは書かれていないのだけれど、パッケージの感じからして、そして桃屋が発売しているおかずのりであるという点からして、今まで散々刷り込まれてきた企業イメージから直ちに脱却できるというものでは全くない。「これは本編とは関係ないので、自由に楽しんでください〜」と言われたスピンオフに、めちゃくちゃ有名な本編が嫌でも影を落とすのにとても似ている。どの作品とは言わないが、まあいくつか思いつくものはあるだろう。ある有名な哲学者が、「西洋哲学は全てプラトンの注釈である」と言ったのに近いと言えば近いだろう。その向こうにどうしたって影響が透けて見えるもの、これを念押ししていくのが広告なのだろう。つまり、ごはんですよとはプラトンなのだ。