他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

ランゲージボディ

卓上調味料として飲食店に置かれている豆板醤は、どこの店で食べても同じ味がする。厳密に言えば、そりゃあ当たり前にメーカーが違うのだから味は違うのだろうが、しょっぱい辛さが全てを塗り潰すから、舌が「おっ、これは豆板醤の味やないか」と知覚すると同時に、舌の許容限界を超える濃味が津波のように他全ての味をさらっていく。豆板醤に洗われた後の地表に残るのは、ただ殺伐とした豆板醤の味だけである。豆板醤は赤いが、食べ物が持つ味をカラーで表現するならば、豆板醤は黒である。真っ黒。だいたいおよそどんなものにつっこんでも、それを自らの色に変色させてしまう、最強の黒である。にんにくは、食べている時はそうでもないのに、食べ終わった瞬間から口内での存在感が随一になる尻上がり型の食べ物である。生であればあるほど、その感が強い。文庫本を一冊読み終わって、そういえばまともな本をまともに読了したのはいつぶりだか気が遠くなるくらい久しぶりな事だったのだが、その筆者の文章が、「あー、この人はめちゃくちゃにいい人なんだろうな、間違いない」と思えるような、思わせるような文章だった。文章から人となりが分かるかどうかは、それを信じるか信じないかからそもそも意見の相違があるだろうけれど、私は文章を人の判断基準として採用している。トップ3に入るくらいの優先順位ではある。ほとんど冗語がなく、潤い流れるような文章で内容もギチギチなのに、ストレスを一切感じさせない柔らかなスタイルだった。よく考えたら全く知らない人でもないかもしれない、それどころか、その人とは知らずに実際に目にした事さえあるかもしれない。その時はこんな文章を書く人だとは知らなかったが、文面からいい人オーラが醸し出されている。読んでいて気持ちがいい。サーフィンをした事はないが、いい波に乗っている時のサーファーはこんな心持ちでなみのりピカチュウしているのだろうか。それなら、癖になって海にサーフボードを抱えていくのも理解できる。その一方で、私にとってはぜんっぜん面白くない文章も長時間読んでいたので、興味関心は致命的なファクターだなと何回目だから分からないが、またそう思った。格安SIMが今のスマホ料金を半分に、と料金を提示していて、そこで私のガラケー月使用料を思い出した。1200円くらいである。映画のチケット一本分でしかなかった。すると、普通のスマホをキャリアで使うと、いい靴を毎月一足買っている計算になる。むむむ。