他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

前世はキャラメルの包み紙だったんだろ

慶事があった。数年連絡が途絶え、私の中では亡き者となっていた中高の友人が、直接私に連絡して来たのである。1月にあった同窓会で、共通の知人に「あいつは復活したらしい」と聞き、取次を依頼していたのが今更功を奏したわけである。おそらく話が先方に渡ってから一ヶ月くらいは「なんかめんどくせぇな」程度の理由でメールを寄越さなかったのだろうと推測され、あんまり変わってなさそうでいい事だ。冒頭一行目が、どうにもあいつらしく、ふふふと思った。「俺が女か、お前が女だったら結婚していた」と送ったところ返信が来なくなったので、またしばらくは便りを寄越してくれないかもしれない。本心なんだけどね。春が真顔でやって来たような日和で、外出する用事があるのをすっかりうっかり忘れて厚手パーカーを洗濯してしまったゆえマフラーだけを巻いて外に足を踏む出したのだが、これマフラーさえちょっと暑いなと感じるくらいに暖かかった。風が強かったが、日差しが春のそれだった。ぬくぬくぽかぽかというのどかな擬音語が頭に浮かぶくらい、季節がもうそこにいるのかなと思った。百円ショップまで行って、ゴミ袋とか必要なものを買い足して、午後の変な時間だったけれど、何か食べて帰ろうかなと思いついた。私の中に、外出するというのはとぉってもすごい事だから、よしよし、なにかご褒美に食べて帰りましょうね〜とでも表現すべき、外出する自分を甘やかす機構が最近形成されている。それっくらい外には出たくないとも言える。適当に甘いものを食べても良かったが、通りがかるだけでずっと気になっていたパスタ屋? 的な? 店があったので、そこに行ってみようと思った。迷った。普段、自分がどれほど適当に、惰性と習慣で街を歩いているのかが分かった。行き慣れた場所以外、頭の中でブックマークされた場所以外は、そもそもどんな検索ワードに引っかかって出て来たのかを全然覚えていないのである。ここの通りだったような気がする、そっちの細い道だったような気がする、同じようなところをぐるぐるぐるぐる4周くらいさまよい歩いて、こっちだったような気がするなと大通りを渡って向かいに出た。そこのほっそい路地にあった。ナポリタン屋だった。アメリカ国旗のクイズショー衣装みたいなカラーリングで、でもナポリタンなのでどうにもかっこよくなりきれてはいない。どうせどうせ、とナメくさって初見の店なのに大盛りを頼んだら、珍しく本当に「大盛り」が大盛りの店で、パスタ500グラムって要するにスーパーにある1kgの袋半分を茹でるのと同じ事で、あ、無理かも、と少しだけ思ったが完食した。チーズがかけ放題だったので、好きなだけかけた。めちゃくちゃにナポリタン推しの店だったけれど、確かに美味いナポリタンだった。そもそもナポリタンを美味いと思ったのは初めてかもしれない。そんなに値段も高くないし、また今度行ってみよ。