他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

metoikoi

寝付きが悪かったのに無理やり起きたので、横走りの砂嵐がざらざらと頭の中で走っていた。調子が悪いと、古い方のPCでは電源ボタンを長押しして強制終了していたけれど、矢印の方向こそ真逆であれ、いきなり首をねじられるような真似をすれば、筋の一つや二つ、そりゃあ痛めるよなと思った。寝られないぞ、という自覚と、寝るぞ寝るぞ寝るぞ、という自己催眠とは、頭の中で呉越同舟して互いを夜の淵から蹴落とそうとしているので、喧嘩のドタバタでいやに目が覚めて勝敗の結果が何も生まない争いを黙々と見つめて、少しだけ真似して身体をあっちにばったんこっちにばったんして、脳がじりじりと蹲って発する白い電流に頭を焼かれながら時計の進みの速さと相対的な眠りの遅さに焦っていた。一度マフラーを巻いて外に出る事を覚えてしまうと、そのシーズンは首回りからマフラーを駆逐する事ができない。首が既得権益を強硬に主張してくるのである。首回りに盛り上がったマフラーと、マフラーに押しやられて行き場を失って同じくもふっと盛り上がった髪と。きっちり巻くのが面倒になったので、簡易版の3ストロークくらいで完成する巻き方を採用した。首元にきらきら鋭く光る寒さではないので。眠いなあ。街で「花椒」という字を見ると、必ず「ホアジャオ」とルビが振られている気がする。「かしょう」じゃダメなのだろうか。山椒と何が違うのかと思ったら、花椒の方がキツい性格の女なのだという事である。確かに、あれがもりもりの料理を食べていると、3口目くらいから何を食べているのかよく分からなくなってくる。舌の上で強烈な刺激が複雑を通り越して単調に踊り狂い、バグに味がついたらこんななのではないかと思うような鋭く鈍い疼きがしばらく鳴り止まない。味覚に違法プラグを差してハッキングを受けているような気分になる。すごい麻婆豆腐を食べると、ただ刺激物を嚥下する作業をこなす人型になれる。あれほどの刺激物を常習すると、いつか絶対味なんて分からなくなるに違いないと思うのだけれど、中華料理はあそこまで発達している。慣れというのか、なんなのか、人体にはすごい部分が溢れているものである。車体がものすごく平べったくて、絵の具みたいな真っ黄っ黄で、左ハンドルの外車に乗った男が、助手席に女を乗せて、ラブホがある方角へとハンドルを切っていくのを見た。行き着く先にあるのは、お洒落なものではなかったと記憶している。外車に乗るような人でも、そういうとこ行くんだ、と思った。