他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

よく観察するとポストの大きさは新聞紙に合わせてある

寝る時に「おやすみなさい」とは言う。誰に言うわけではないが、一応おやすみなさいと言う。睡眠導入剤的な効果を発揮してくれる事を期待して、言った後はすぐそこにある寝られなさを自覚して腕で顔を覆ってしまう。これは無理だと思う。おはようは言っていない気がする。目が覚めると、「うああ」と思う。目が覚めてしまい、起きなければいけないからだ。「……あーー」が一日の第一声であり、おはようとは言っていないような気がする。苦し紛れに、嫌味混じりにおはようとは言っているかもしれない。朝というか、午前中の記憶がない。スーパーに並んでいるもので、よほどの事がない限り絶対に買わないようなものがたくさんある。あんこう鍋のパックとか、棒たくあんとか。そういうアイテムの中に、「ニシンの昆布巻き」があった。えらく太い棒状の昆布が調味液漬けにされていて、北海道産のご立派なものだと千円弱くらいする。魚は嫌いじゃないし、昆布は好きだし、気になっていたカップリングではあるのだけれど、しかし値段がものを言う。こんなに些細な好奇心に払える金額ではなかった。ポスティングでぎちぎちパンパンになり、それでも次のチラシがぎゅうぎゅうと押し込められているポストの中を数ヶ月ぶりにさらい、しばらく足が遠のいていた業務用スーパーに行った。牛乳とヨーグルトがなくなった。入ったところすぐ目の前に、アクエリアスの缶が安売りされていた。そして、知らない間に、アクエリアスのロゴがものすごくダサくなっていた。都心私立大学生から、ド地方大学生に転身を遂げたのと同じくらいの落差がそこにはあった。人はこういう現象を改悪と呼ぶのだろう。かっぱ寿司のロゴからかっぱが消えた、あの事件のように。あまりにかっこ悪く、数日後に見返して鼻で笑いたかったので買った。パウチ食品のエリアに、ニシンの昆布巻きがあった。ついでに、子持ち昆布巻きもあった。両方かねてから気になっていたものだ。とりあえず買う。冷凍エリアの隅で展開されていた、ご飯のお供ビン詰めシリーズが安かったのでいっぱい買う。帰ってニシンの昆布巻きを皿に開けて食べてみた。やっすいやつだったからかもしれないが、ひとつずつが親指くらいしかない。ニシンってこんなに身細だったかしら、と思う。一個目はまるまる口に放り込んで、どこにもニシンを感じられなかったので、二個目以降は半分に噛み切って中身を確認した。確かに、鉛筆の芯みたいなニシンが簀巻きにされていた。満たされなくてもよかった好奇心だと分かった。