他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

お茶とか温泉も濁るじゃん?

経験則がなぜ重要かと言えば、経験値を積み重ねた末に得られるひとつの凝集結晶だからである。中に綺麗な「異物」が入っている琥珀の方が値段が高いとか聞いた事があるが、マニュアルやハウツー本に載っている方法論というのは、純粋なだけで異物が入っていない琥珀である。きれいではあるが、綺麗ではない。自分の経験や、直接経験者からのありがたいお言葉、それらの異物を取り入れていって初めて、綺麗な琥珀になり、価値が出てくるのである。いつか琥珀から琥珀成分を追い出せた時、その不純物が身体に同化し、血肉となる。だが、経験則は意識的に起動するものではなく、無意識下でオペレーションされているものなので、もし不具合が無意識の検閲を素通りしてしまったが最後、いつもなら避けられる簡単な小石にさえつまづいてしまうのだ。よって、今日、無意識が有効に機能しなかった私は、経験則をほっぽらかすという大きなミスを犯し、大きなダメージを負った。ある試験を受ける用があったので、午前中に家を出た。筆記用具は会場で貸与されるとの事で、もし安っぽいシャーペンだったら絶対許さねえぞと思っていたものの、必死になってメモ書きをする際に、書き味など不要であった。必要なのは、なんとなく握れてなんとなく書ける、ちょうどいいチープさだったのだ。最近はこの感覚を忘れていたような気がするので、あの100円くらいで売ってそうなシャープペンシルに思いを馳せ、面取りのしっかりしたグリップが握りやすかったなあという思い出を大切にしていきたい。試験が終わった。思ったより早く終わった。想定の3倍くらい早く終わってしまった。向こうの人生でそれなりに重要性を持ってくるかもしれない試験だが、多分よくできたので大丈夫だと思いたい。多少肩の荷が降りたので、会場近くで「ここ行ってみたいな〜いつかな〜」と秘めていたカレー屋に行った。うなぎの寝床みたいな、ほっそい店内で、券売機で食券を買ってテーブルに案内され、落ち着いて店内を見回すと、すげえ汚かった。手入れの行き届いてない民家みたいだった。きったねえ水差しに、「紀州備長炭のミネラル水」と書かれても説得力がない。カレーが来た。想定の4倍くらいボリュームがあった。一番でかいカレーに、日替わりトッピングをつけて、サービスのカツ追加をしたら、揚げ物5:カレー3みたいな、頭の悪いプレートができた。朝ごはんを食べてから3時間しか経っていない状況で圧倒的な物量と対峙せざるを得なくなり、頑張って食べて、トッピングの唐揚げは食べきれなかったのでこっそりナプキンに包んで、店を出た瞬間に、私が持っている経験則のひとつを思い出した。「初めて行った店で大盛りを頼むべからず」これまっこと真である。