他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

feeling the outside turning in

コンビニで買った、120円は超えないだろうという安いアイスを食べながら歩いているカップルがいた。信号待ちをしながら、カップにコーンが入ったソフトと、カプリコみたいなタイプの、コーンの円錐がそのまま延長されたような断面が二等辺三角形のアイスを食べていて、昼の陽だまりの中で網膜に光を反射してくるその光景を、とてもいいなと思った。そういう、何物もついてきていない、安価な粗雑さが好きなのだ。商品名もメーカー名も検討がさっぱりつかない、ジェネリックの塊みたいなものを介して関係性がそこに横たわっている事を、すごくいいなと思った。死ぬまでに、一回でいいから、肉まんを食べながら歩くカップも見たい。ピンサロ屋の前に、おしぼりリース業者のトラックが停まっていた。考える所がある。店舗内の洗濯機で洗って済ませてるんじゃなくて、ちゃんと専門の業者に委託してるんだなあ、とか。そこで使ったおしぼりって、他の、飲食店とかで使われるおしぼりと一緒くたにして業者のリリースを回っているのかなあ、とか。それとも、そういう所で使うおしぼりは、別のサイクルを組んで回されているのかしら、とか。近くに飲食店もいっぱいあるから、もしかしなくてもおしぼり業者が用があるのはそっちかもしれないけれど、メリットのないボーナスステージに突入したような、ここにも土管あるんだな、という感覚がした。電車の中でぼーっとしようとしたら、プレミアムモルツの車内広告が目に入った。神泡か、神泡じゃないか、ビールって、今そこだよね。というずるい二元論を矢沢永吉に言わせて、リッチなブラックにビールの黄金色が綺麗に映えていて、ものすごく、非をストレートに3ストライクアウトにしてしまうような広告だな、と思った。これを作った人間は、楽しいと言うか、これはハマったなという、快楽をだだ漏れにする感覚を確かに味わったのではないか。私が上司だったら、ボーナスめっちゃ出す。それを出されてしまうと、「はい、じゃあ、もう終わりっ!」と切り上げたくなるような隙の無さだった。90点を超えた安心感というのは、多分こんな感じのやつである。隣に座った中国人が、スマホで会話しながら、何かを食っていた。こちとら本を読んでいるので視線をやらなかったが、電車の中で自然状態では絶対にするはずのない匂いがした。ニンニクの匂いがした。何食ってんだ、と思って視認した。おつまみ用の、形容はともかく非膨張時の男性器サイズの、酒屋の壁にかかっているああいうカルパスを食っていた。日本人は、電車内でカルパスを食うだろうか?