他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

金物屋の目録にはポストが入っている

雲が一つもない空を見た。遠くの方は自然の法則的なあれに従って白んでいたが、交差点で立ち止まって頤を上げ、四方八方をぐるぐると見渡すと、そこら中に澄んだ青が延びているだけだった。これが快晴指数10かと、数日前の事を思い出した。恐ろしいまでに、ただただ透明度を湛えた「空の色」すなわち空色がのっぺりと居座っている。食べ物として美味しそうな色ではないが、服の色としてはいいかもしれない。スカーフとか、マフラーとか、本筋ではない装飾品副次品が空の色に染まっていたら、とても綺麗だろう。少なくとも、それを着けてカレーうどんやカレー南蛮を食べようという気は起きないに違いない。ワンピースとかもいいかもしれないですね。あの空の色は、ソーダ味のグミとか、氷砂糖の結晶を煮詰めたような性質の色だ。ブルーハワイは下品な青だが、空の色には裏表がない。ただ深みがあって、その深みが感得できないだけだ。海の色が空に写っていたら、空はもっと汚いと思うが、幸い海は空に写り込んでいないのであんな色をしていた。色鉛筆だと、一本一万円くらいはしてしまうんじゃないだろうか。それほどまでに、引き込まれる澄明な色だ。いくつかのカットを入れる下拵えの後、一気に結果が出るのでみじん切りが好きだ。玉ねぎとか、人参とか。要するに、ピタゴラスイッチだ。後々どうなるかの見取り図まで描けたところで、ただそれだけに気を付けていれば狙った結果が出てくる。なので、やり直しとかがあまり好きではない。頭の中に強烈に焼きついたイメージを具体化するために作業を進めているのだから、それが薄れる前にさっさと形にしてしまいたい。できれば一回ぽっきりで。ゴールがひとつしかなくて、それしか見ていないので、余計な脳のメモリを食われない。「さっき業務用スーパーで冷凍なめこを見つけたけど、なめこをフリーズ保存するのも驚きだしひとつひとつのなめこがめちゃくちゃでっかかったな〜」と考えなくて済む。試行はもちろん大切だが、できれば錯誤はしたくない。マインドセットの改革が必要とか言われそうだな。ふい〜。なぜか棚に置いてあったのでニョッキを買ってきた。イタリアから直輸入らしい。高いのかと思ったら200円(500グラム)だった。そうでもなかった。まあ、ただのぐにょぐにょだからね。gnocchiと綴るんですね。茹でて、一緒に買ってきたよく分からないアンチョビオリーブオイルで和えて食べてみた。ニョッキ自体にそれなりの塩気があるし、そもそもオイルがあんまり美味しくなかった。ニョッキを上手く食べられる人間になりたい。