他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

見えないターゲットに着弾させろ

今、私の家で、トイレに関する重大な問題が発現している。端的に言って緊急事態である。家庭の水洗トイレは、他のタイプがどのようなものなのか即座に数え上げる事ができないのだが、タンク式である。トイレで用を足す。便器の中に、器と言うくらいであるから、今しがた体外に排出したものがふよふよしている。ご家庭内の衛生状態を保つために水を結構な勢いで流して下水道に追いやり目的を達成するわけだが、銃と同じで、一度弾薬を消費してしまうと、再度補充する必要が出てくる。ガスが溜まらなければおならも鳴らない。便器が背負っている、空っぽになったタンクにちろちろと水が注がれて、めでたく次弾を装填して来たる再お手洗いに備えるわけであるが、この最後のプロセスに欠陥が発生している。タンクが溢れてトイレがびしゃびしゃになるのも、それは間違いなく大変な事であるが、そうではなく、ある条件を満たしてしまうと、タンクに水がさっぱり溜まらず永遠に手洗い用兼弾薬の務めを果たす水資源が垂れ流しになってしまうのだ。二日ほど前、寝つきが悪く布団の上でゴロゴロしていると、その夜はいつもとどこかが決定的に違う事に気がつく。それが何なのか咄嗟に分からず、悶々と頭の中でケーススタディに励んでいたところ、突然に閃いた。いつもの夜に、雨でも降らない限りは、ここまでの水音は伴わない。結末を予想してトイレに急遽突入、水洗タンクのフタをガバッと開けると、むべなるかな、むべむべ、タンクに蓋をする黒い球体のパーツが、収まるべきところに全く収まっていないのであった。貯水を期待して来宅する水は、休む暇もなくことごとく下水へと飲み込まれ続けていた。水道代の高騰に頭の中で慄きながら、排水レバーをがちゃがちゃやっていると、どうやらレバーとその球は連動しているらしく、「レバー下げ:球上がる、レバー上げ:球下がる」という仕組みを観測できた。今まで生きてきて知らなかったのだが、トイレは割と原始的なシステムでできていた。なんとか上手くはめ込むと、しばらくしてぢょろぢょろという音が先細りになり、流水が止まる気配がした。タンク内にある程度の水が溜まると、内部の水圧で何かしらいい感じになるらしい。昨日は、家を出てトイレ横の窓を通り過ぎる時にぢょろぢょろ音が止まないのを耳にし、しまった水が流れっぱなしだと思ったが、急いでいたので引き返す事もできず、物理法則に大敗を喫した。突如勃発したこの異常事態に、どうにかして幕引きを図らなければいけない。