他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

文庫本の角に足の親指ぶつけて

未明から景気のいい音が始まって、あれよあれよと言う間に乱れ打ちに変わり、液状にしたところてんを押し出したような豪雨一歩手前の落ち着きない流れが湿度と騒音と暗がりを一度にもたらした。布団に半身以上を突っ込んでいないと忍び込むように寒くて、しかしそうすると室内に溜まってぶよぶよと集合体を成した湿度が至る所に絡まって不快だし暑い。どっちつかずの、中間域がないワン・オア・ジ・アナザー領土分捕り合戦をしたりしなかったりするうちに4時をとうに回り、ようやっと眠くなってきただろうかと思って湯煎真っ最中の蜂蜜のような意識の薄膜に視線を凝らそうとすると目覚ましがけたたましい、そういえばまだそのタイトルを知らない音波をぶちまけて騒ぎ出した。外を見やるでもなく、みっしりと弾幕が張られ、全身に下向きの矢印を覆い被せたような、全身的ダウナーの方向性を直感的な視覚として捉えてしまい、やっぱり解像度がアホみたいに低いままの脳内は立ち眩みその他でグラグラと照準点を定められないまま正体を明らかにしない透明な眠気にラッピングされながら身体を引きずるとそれはそれでまあ稼働するものだった。洗濯物が全然干せねえなあ。夕方には少なくともあがるかと思って洗濯機を回したものの、まだ空気が湿っていて先が見通せないし新しく台風が生まれたとの報も耳に入ってきたし、7月の自己主張が弱すぎて涙で枕をしとどに濡らしてしまいそうである。およよ。そうすると枕カバーを別途洗う必要が出てくるので、絶対に泣かない。強い心を持って、部屋干しで対抗するのであると思ったが、部屋に淀む生乾きカビの匂いとカーテンレールに並ぶ力なき皮っぺらの惨相を思い出すだけでしなしなと、チャック密封を忘れた刻み揉み海苔がごとく気概が消化されてしまったので、やはり悪は悪である。ぱらぱらと大人しい雨になった時間があったので、読む本もなくなってしまった事だし、図書館に行って新しい本を探してきた。歴史やら、思想やら、かてえジャンルの岩波が密集した書架があったが、タイトルを一つ目視しただけで辟易してげんなりして体内の固形物がすべて融解し床に流れ出す感覚があったので、大人しく日本の小説的なそれらが置いてある棚を見た。最近から遡って、江戸川乱歩の作品云々があって、岩波に所収されている事を知らなかったのでおっと思い、短編集をひとつと大江健三郎のそれもひとつ引っ掴んで帰ってきた。インテリが教養をくちゃくちゃする口の中を見せられているような文章だなあ。