他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

樹海でバタフライ

全然寝付けなかったので、あちらにぎったんこちらにばったんと身体を転々とし、瞼と脳味噌の裏に張り付いた鉛のように厚く、向こうが透けて見えない違和感がじりじりと近寄って来る朝方の青と白に照らされて淡く発光し続けるのを見ていたら時間が来て、腰も痛い頭も痛いと踏んだり蹴ったりで傷を伴わない擦過をごろごろと転げ落ちた末にダメになってしまった。今日の朝ごはんで、いっぱい買ってきた辛子明太子とたらこは終わりになった。味が付いているのでどう考えても辛子明太子の方が好きなのだが、たらこの無邪気なぷちぷちとした食感にも好感を抱かないわけにもいかず、どちらにもいいところがあるねえと温もりのある感想を抱いた。房がほぼまるまま残ったたらこ明太子にかじりついて歯応えを削り取っていく行為は今だに胸の内に歓びを掻き立てるもので、食べ放題でもあったら楽しそうだとも思うが、調味料漬けのそれらを短時間でがつがつと放り込むと瞬間的に舌がド・阿呆になりそうな気もして、それもまた一興かしらとも思えてくる。前にも食べて、同じようなことを思った覚えがあるが、しばらくこのふたつはいいかなあと敬遠の気を起こした。なんというのか、一度の経験の密度というか、刺激の波の高さが、他と比べてハイなのだ。ところてんのような、透明で主張の薄いものが食べたくなる。さっきぜんざい的なものを食べたが、おはぎにまぶされている「強い」あんこのように、目が覚めて逆に眠りに落ちたくなるほど糖分の暴力を感じて、やはりアンコ系の何かを作る過程で投入される砂糖の量を考えるものではないなと痛感した。心の虫歯が痛くなった。 * 外に出ると、あからさまに空気がむちゃむちゃしていた。湿度と湿気と苛々を孕んで、(名前を思い出した、確か)フィブリンがごとく不快指数を絡め取って頭の中の演算式に代入してくる。気が散弾銃になり、上手いこと割られたガラス板のようになり、金属液に浸した呪衣のようになって心身様々なやる気ボタンを機能不全に陥らせていた。まともに眠れていないから、そのはねっかえりがダイレクトに来ているだけかもしれない。ハードボイルドな脳味噌硬度を保ちたいが、とろとろの生卵とさして変わらないゆるさで指の間から下水道にこぼれていくような錯覚が見えて、身体の節々が痛いので、もしかしてこれは軽い風邪かそれに類する症状じゃねえかと疑られて、凝集するくだらなさにへなへなとなる。