他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

カスタネット逆折り

寝つきが悪い周期がやってきた。YAH! YAH! YAH! 眼窩の裏に眠気がこびりついている感覚が確かにあるのに、それが片栗粉か水糊で固められたようにどろっと傾くだけで、塊として手の平に落ちてこない。エロ漫画で言う塊みたいな、ダマになった、咽喉に引っかかる精液とはこのような粘度を言うのではないか。さらさらした、物体として滞留しない眠気なら何も言う事はないのだが(そんな眠気があるのかどうかは別として)、物量を持たれた以上は構わざるをえない。ので、頭の真裏に常に異物感がこびりついていて、そして深くまで眠りに入っていけないがゆえの希求があり、ゆっくりと焦げていくようなスリップダメージを負い続けている。手頃な朝飯の肴が尽きたので、いざという時のために買ってきていた業務用レトルトカレー5包入りを開けた。このシリーズは表記に嘘偽りと飾りがなく、甘口と書いてあれば甘めだし辛口と書いてあれば普通に、当たり前に辛い。今回は辛口。辛いものを食べて辛いと思う、当たり前の帰結を味わいたくなったので。辛いものはそこまで得意ではないが。朝のぽやぽやした頭でレトルトの包装を、中に残ったカレーを絞り出すためにしごいていたら、頭がクラッとした表紙に右手が滑り、あっ、これはやっちまったなと超高速で脳内タイピングが行われると同時に、キッチン内でカレーが広範囲へと飛び散った。おぁーっ。シンクだとかIHに飛んだ分はキッチンペーパーで拭き取るだけ拭き取ったのだが、さきほど確認すると壁のタイルにも散っており、これはもしかしたら認識できていないだけでもう少し広い範囲での被害が出ている可能性が濃厚になってきた。生の不浄が上書きされた。IH板の下が油でギツギツになっている事は当初より視認して、ずっとずっと見て見ぬ振りを続けているから、いつか清掃したりなんたりしたいのだが、ほぼ全ての事においてめんどくせえの一念が他を滅ぼし死屍累々を築くので、向こう2年くらいはやらないかもしれない。汚い。IH対応の雪平鍋を東急ハンズで見て、お値段が少しするけれどIHで手頃なサイズのお鍋で煮物ができるならいいか、と胸がときめいてから一ヶ月以上経ったはずなのだが、その時の気持ちはするりと忘れ、しかしその後釜で別に何が残るでもなく、透明と内容の欠如が幅を利かせてこちらを悠々と眺めている。他にする事ねえのかよと思うが、その言葉はそのままこちらにはねっ返ってくる。出血多量。失血。虚。臆。