他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

立体的間違い探し

曇りだ。すんごい曇りだ。一日中部屋が灰色で、外も灰色で、気が滅入る、まさに入滅しそうな日だった。晴れないという事が、こんなにも精神に負荷を与えてくるものだと久しぶりに思い出した。イギリスで生活していた人生のあの辺を思い出す。部屋干し2日目だか3日目だかを迎えたハンガーの衣群が、昨晩から形容しがたい湿臭さをぷんぷん振り乱している。すごい。めちゃくちゃ湿臭い。カビとかではなくて、部屋干し生乾きのあの臭いが、たまにぶわっと膨張して嗅覚に訴えかけてくる。さすがに乾いたかと思ってタオルケットを下ろしてみたら、軽く身じろぎするだけで臭いがぷんぷんし、寝返りを打とうものなら、特殊なカメラで撮影した、きのこの胞子がぽーん! と飛び散るあの様を彷彿とさせる臭いの拡散具合で、こんなん就寝どころじゃねえわと再びハンガーに戻した。少なくとも、あと4日くらいは天気予報は雨雨曇り曇り雨みたいな感じである。男女男男女男女じゃねえんだよ。バスタオルも着替えも、全部どうしようもないのでその臭いが付帯しており、部屋を締め切らないと蒸し暑くて敵わないが、部屋を締め切ると臭いがきつくて敵わない。夏、いきなり難しいなと思った。ジャムが残り少ないので、どうしようかと思って、イングリッシュマフィンにオイル漬唐辛子を乗せて食ってみた。塩胡椒で少々味付けしたら、食えなくはないがなぜこれを食っているのか分からない代物ができた。まずいわけではない。この唐辛子、クラッカーにチーズでも乗せて、いちストリップ(細長く切ってあるので)添えるのならいい感じになりそうではある。今も以前も変わらぬ欠点として、摂取するとお腹が痛くなるというどうしようもないところがあるが、これは私の胃袋の粘膜に依るものなので仕方が……ないのかなあ。武田砂鉄が挙げていたので、石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋)を読んだ。小説以外の読書の指針は、ひとりかふたり定めておくと選びやすいと最近分かった。良くも悪くも今をときめく都知事小池百合子の生涯を追ったルポルタージュなのだけど、第二章「カイロ大学への留学」から終章までずっと、なんでこんな嘘が堂々と罷り通ってきたんだと、こっちが正気を疑いたくなるくらい嘘が塗り固められていく。海外の教育事情は少なからず知っているから、カイロ大学首席卒業なんて嘘っぱちを、と思っていたが、話はそれだけに止まらず、読了後、カバーの小池百合子を見て、「オマエは一体誰なんだ?」と浮かぶほど、虚実入り混じった(虚の方が多い。とても)人物なのだなと知った。著者には多大な敬意を払いたい。