他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

エレクトロン

この季節に、夜、暑くて寝苦しいのは珍しい。布団をかけると暑いのはもちろんだが、タオルケットでさえ暑く感じてしまう。いつの間にか代謝がものすごくよくなり、基礎体温がうなぎ登りになったわけでもないはずなので、きっとおそらくほぼ気候のせいだ。暑いのは間違いないけれど、朝方に冷え込んでお腹を冷やし風邪を引くのが怖いので(怖い!)、結局掛け布団で半身を覆い、横から抱きつくような形で就寝している。眠れないと、なんだかそわそわして、抱き枕的な何かをギュッとしたくなるもののそれらしいものは持っていないので、枕を引き抜いてギュッとする。抱き枕にしては胴回りが広く、柔らかくも心地よくもないので、赤ん坊に便宜的に咥えさせるただの物質としての「おしゃぶり」に似ている。別に抱き枕を買ってしまってもよいのだけれど、かつて二次元抱き枕カバーの沼に全身を浸し切りメンタルが振り切れていた先輩の事がどうしても思い出されるので、そして抱き枕カバーという無視できないデバイスの負の多様性に引き込まれるのが怖いので、思い切る事ができない。抱き枕カバーとは、おそらくブックカバーやスカーフのようなもので、なくても用は足りるのだけれど本人としては譲れないプラスαがある、そんなものだと思われる。ミジンコやらミドリムシやらミカヅキモやらがみっしりプリントされた抱き枕カバーがあれば、禁欲的なデザインとして評価したい。使うかどうかは全く別だ。微生物抱き枕カバー。生物研究室とかに置いてありそうだ。英名、学名、綱とか種とかを添えてあれば、教育的な商品として売り出せるかもしれない。夢にわらわらわらわらマイニュートな生き物が乱舞しそうなのだけが気がかりではあるけれども。二次元抱き枕カバーを装着すると、すけべな夢を見そうだから憚られる。ついでに、三次元抱き枕カバーが、あるのかどうかは知らないが、もしあれば、夜の薄明の中にぼんやりと浮かび上がる三次元画像というのは、かなり怖い。あるのだろうか、三次元カバー……? 図書館で借りてきた、めちゃくちゃ古い岩波文庫からものすごい匂いがする。埃の、鼻に刺さるような感覚がする部分だけを抜き出したような、ものすごく刺激的な香りが。背表紙は一度大破したようだし、まだ厚紙で表紙がついている頃のやつだし、最初の数ページは無残にももげてしまった。醤油でも染み込んでいるのかと言わんばかりのブラウンをしている。旧字体でも、なんとなく読めるから漢字はすごい。