他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

ワカメと玉ねぎの酢の物

数日前に見た「指名認印」は誤字ではないかという話だが、今日ふと目に留まったのでよく見ると「特名認印」の間違いだった。私の目が節穴だったという事である。普段ぷにあなばっかり見ているからだろうか。家から駅に至るまでの道中、両脇の建物に押し潰されそうな立地の弁当屋がある。赤字に白で「お弁当」と染め抜かれているだけの至ってシンプルな幟しか出ておらず、意識しなければ視野に入った事を認識できないような、ミニでプチなお弁当屋だ。個人的にチェーンより個人経営の弁当屋が好きなので、存在を認識した時から(ハリー・ポッターのダイアゴン横丁への入り口みたいだが)行ってみたい行ってみたいと思っていた。昨日、帰宅の時間が遅くなり、さらに翌日の用を消化しておきたかったので、晩御飯を作る時間もスーパーに買い出しに行く時間も惜しく、これ幸いいい機会とばかりにその弁当屋に行ってみた。店頭に立つと、想像より2割くらいしょぼい。ちんまりしている。成人男性2人分の肩幅程度しかない。便所の個室くらいのスペースに、おばちゃんが座っている。ショーケースは、看板が完全に色褪せた個人精肉店にあるもののようだ。ただ、売られている弁当の価格に驚いた。詳細な数字は伏せるが、300円台半ばである。……! 側で売られているおかずは200円を超えない。……! 昨日はパクチーの乗ったよく分からん鶏肉ご飯と、豚のおろしポン酢唐揚げ、今日は油淋鶏と、鮭のクリームコロッケを買ってきた。両日とも、500円を少しはみ出す程度だ。すごい。まずいラーメン1杯が食べられる値段だ。値段が故に味はどんなもんじゃらほいと心配になりそうになったが、店番で立っているおばちゃんからいい人オーラが出ていたのと、私が会計中にもう一人のおばちゃんがどでかいクリアボックスに追加在庫をどこからか持ってきたのを目の当たりにしたのとで、これは大丈夫であろうという結論に至った。恐るべくは、毎回袋の中にお店の「通信」が入れられる事で、そこらのクソ情報サイトよりまともなことが書いてあったので、完全に信用した。食育過激派は対処がとてもめんどくさいが、ゆるゆる食育派は美味しい。帰ってレンチンして食べると、美味しかった。ぜんぶをぜんぶ人の手で作った味がした。今日の油淋鶏に入っていた切り干し大根がその極みだ。おばあちゃん家で出てくる味だ。ワカメと玉ねぎの酢の物が予想以上にめちゃくちゃ美味しかった。近所に素晴らしい弁当屋がある事が分かった。今後とも贔屓にさせていただこう。全おばちゃんをコンプリートするまで。