他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

口を閉じた場合の話

マスタードのついたチキンカツサンドを食べると、これまた絶妙に安っぽいマスタードの味がして、生きてるなあと思った。一緒に買った、もちもち食感が売りのチョコ味パンは、お餅みたいと言っているだけあって、パンのくせに咀嚼に要するエネルギーがものすごく、むしゃむしゃというよりは頬張ってもむもむする感じの歯ごたえ或いは噛み応えであった。それでありながら質感としてはべしゃべしゃ寄りのしっとりなものだから、口の中がものすごい事になった。実体としてのソリッドさを緩めて、綿飴らしさを混ぜ合わせたパンと言えば伝わるだろうか。咀嚼音については色々思うところがあって、オノマトペとしてよく見る「ぱくぱく」は私の中ではかなり納得がいっていない方の擬音である。「もぐもぐ」はまあ分かる。物を食べている時に口腔から耳の中に響いてくる音は、あれはおそらく言語化を図ればもぐもぐと転写されてしかるべきうごめく音だろう。ぱくぱくは本当によく分からない。どんどん食べるという軽快さを表す上で、確かにpkpkという音の躍動感は一役買っているのだが、食事というプロセスの中に見る動きをいちいち思い返してみても、どう引っ繰り返そうと頑張ってみても、ぱくぱくという音を抽出できそうな仕草が見当たらない。無理矢理にでもその音を自分の中に響かせようとしてみれば、多分「口の開閉」にぱくぱくという音を期待できるだろう。僅かではあるが。pの音を出そうとする「ぽぁっ」なる可愛らしい破裂音、これがデフォルメされて持ち込まれた場合、かなりの速度で食べる=かなりの速度で口を開閉する(食べ物を口の中に収めるため)という事であって、その破裂音がぱくぱくとして食事の代表的な音として浸透したのではなかろうか。場当たり的にいい加減なことを言っているので、全く違うかもしれないが、なぜ都市伝説が流布するのかと言えば、なんとなくそれっぽくて面白いから広まるのである。厳密さを持ち込む律儀さを必ずしも失うべきではないが、料理レシピ本を参考にして尺度を設け、それなりの精度でご飯を作る事も大切である。カーリングで一番点数が高いエリアだって、狭いとは言え石一個分しかないようなしょっぱい判定ではなかったと思う。まあそれくらいいいんじゃないの? と笑わなくていいので放っておける懐の深さ、目端の効かなさがあって欲しいと思う事の方が多い。言葉自体はあんなに色んなところで見るのに、「平成最後の無許可中出しセックス」というAVはまだ見ていない。