他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

見た目に似ていない親戚同士

缶詰に入った鯖を食べた事があるだろうか。俗に言う、いや俗にしかそんなものはないだろうからそんな言い方をしなくても良いのだろうが、いわゆる鯖缶というやつである。なぜか水煮タイプのものがあるが、よく見るのは鯖味噌缶の方だ。どうして水煮タイプのものがあるのか分からない。字面だけで考えると、水で煮ただけなのでおよそ味なんかないはずなのだが、実際に食べた事がないので実情は分からない。軽い塩味くらいはするのかもしれない。まあとりあえず、缶詰に入った鯖のことを考えてもらいたい。缶鯖には、どういうわけだか骨がついている。ぶつ切りのまま入っているので、当たり前と言えば当たり前なのだが、背中を支えるようにズドンと貫く骨が入ったままだ。当然配慮されていて、喉に刺さって不快なんて事はなく、力を入れて噛むまでもなくほろほろと崩れていく柔らかい優しい物体である。見た目が食玩のスケルトンパーツみたいな色をしている。こんなことを言ってもピンとこないかもしれないが……。あの骨だ。魚肉本体はそれほど癖のある味ではないのだけれど、骨の方は噛み潰すと粉っぽく白んだような匂いが立ち上る。骨の部分だけピックアップしておつまみとして商品化されたならば、買ってしまうかもしれない程度には尖っている。いりこなんかとはまた異なったカルシウムの補給法として注目してもよいだろう。数日前に「さばそぼろ」というギラギラに尖った個性を讃えたご飯のおかずビンを買ってきて、今日の朝ごはんにふりかけて食べたのだけれど。鯖缶の、その骨の部分の味がした。「あっ、今アレ食べてんじゃん?」と脳が錯覚する程度に似ていた。というか終始あの部分の味と風味がした。色味は土気色に腐り果てたオタマジャクシの遺骸にしか見えないのだが、味はよかった。噛めば噛むほどじわぁ、じわぁと滋味が染み出してくるタイプのスロースターターで、チーズと混ぜて焼き上げたりすると美味しいだろうなと思った。お雑煮に少し入れるのでも、魚介感がものすごく強いから合うかもしれない。そんな味だった。マクドナルドのチキンナゲットについてくる新しいソース2種のうち、ステーキの方は「ナゲットじゃなくて肉にこれ付けて食べたい」と思うような味で、エビの方はえび満月とか、あの辺のえび系お菓子の味がした。もうそれしかしなかったと言っても良い。口の中で駄菓子と肉が混在していた。まさかの東急ハンズで着る毛布っぽいのを見つけたが、結局はんてんを買った。5千円くらいした。でも暖房をつけなくても大丈夫なくらいに暖かくはなった。よしとする。