他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

「言うは易く行うは難し」と言うは易く行うは難し

起き抜けに着替えて靴下を履くと、身に覚えのない風通しの良さが踵をよぎった。暖かくなったとはいえ、まさか私の頭が惚けて、靴下を履いたつもりが実は履いてませんでした、というどうしようもない誤認が起こったとは思えなかった。なので、踵を見た。スク水の乳首部分や局部部分だけをハサミで切り取るシチュエーションが広いこの世の中には存在するのだが、それを彷彿とさせるように、踵の「踵」と呼びうる部分に、これ以上なく綺麗に穴が空いていた。数日前にこの靴下を履いた時、やけに左の踵だけぺたぺたするなと思っていたのだが、あにはからんや、普通にぽっかり穴が空いていただけだったのだ。いつから実用し始めたのかさっぱり分からない靴下なので、使用年数相応の損壊とも言えるし、惜しむらく夭折してしまったとも言える。ともかく、レパートリーの少ない私の靴下目録からまたひとつの脱落者が出てしまったので、何年も胸の内に秘めたまま、秘めたままで留まっていた、新しい靴下をまとまった数買いに行くという目標が重みを帯び始めてきた。もっと、プッチンプリンを買うくらいの気軽さで衣服を買いに行けるようになりたいものである。寝付きと寝起きが悪くなったので、ものすごくどうにかしたいが、どうにかしたいと思ってどうにかできる類のそれではないので、毎日の些細な生活リズムのズレが積み重なって正常なサイクルに立ち戻るのを待つ。今日は道を歩いていてもそれほど面白いものを発見したわけではないし、日中の残像がそれほど残っていないので、取り立てて書くような事がない。なんとなく、雨が降りそうな気がすると野生の勘が告げてきたので洗濯物を室内に干してから出かけると、案の定(「そうかもしれない」程度の期待度でこの言葉を使うのは予測の正確さを不当に高める事になり、あまりよくない気がする)ドアを開け放した瞬間からぽつりぽつりと来始め、大粒になったり存在感がギリギリ希薄になったりしながら数時間降り続いていた。長袖1枚で1日を過ごしたが、雨が降っても寒くなく、むしろ立ち上る湿気のむんむんとした質感にうんざりしたくらいだから、さすがにもう季節が春から遡行する事はないだろう。何回でも言うので何回でも言うが、傘を差さなければならないほど、つまり、足元が水で濡れるくらい雨が降るとQOLが暴落するので、そうでない程度でささやかに降る事を心がけてほしい。そういえば、クライン・ブルーというかブルーマンというか、それほど主張が強い青々しい青のレインコートを着ている人がいた。