他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

取りも壊さず

まだぼつぼつと恨みがましく、lingerという感じで小雨が近づいてくる瞬間もあったが、そろそろ梅雨が明けるらしい。実際に明けてからでないと明けたと分からないので明けた頃にはまた別の局面様相が顔を出しているのだろうが、夜の這い寄るようなむっちりした熱気の粘っこさを感じていると、確かにもう夏はすぐそこにいるのかもしれないねえ、と思われてくる。起きるとパジャマが体液ですぶれていて、寝苦しくはなかったが掛け布団の不要さが視界の端にちらつき始めている。というか、こんな下旬まで掛け布団をまとっている今年の気候の方が変わっていると言うべきなのか。洗濯物を気持ちよく干せる日が近いと期待しておこう。燃えるゴミを色々まとめて出したので玄関がすっきりした。ビニル一枚の向こうにわいわい湧いている蝟集の蛆虫たちを見ていると、生命の強靭さと強かさと手に負えなさと、様々感情が巡り起こってきたが、家に発生されるとどうしようもなく困るので、大人しくゴミ収集車に連れて行って焼却してもらう事にした。もうしばらく、あのうにうにした蠕動運動は見たくない。粟か稗粒みたいな遺留物が、たまに残っているが。忘れないようにしようとして忘れて、時間が意味を持たずぽっかりと空いた瞬間に頭の中に戻ってきたので、ドラッグストアに行った。店頭によさそうなお菓子でもあれば買って帰ろうと思ったけれど、ポテチとなんだか変なものしかワゴンに乗っていなかったので避けた。そういえば、近くのあそこはドラッグストア然とした品揃えが徹底している気がする。かなり理想状態に近い。歯磨き粉を買い足そうとして、たまには変なものでも買ってみるか〜と変な気を起こし、300円弱のかなりいいやつを買った。いいやつとはいえ、同じ棚に600円700円、果ては1000円くらいのものもあったのだから、本当にそうなのかしらという気も起きてくるが、普段買っているやつが112円+税なのだから随分とよいものである。旅行はなんだか面倒臭いので好きではないが、日用品の範囲で逸脱を楽しむのは割と好きである。これの規模が拡大すると、日用品が生活空間になり、風土になり、つまり普段住みつけている場所からの旅立ちという事になるのだろうが、恒常的環境で、ストーブの上でゆるゆると薬缶が湧くような思考の煮詰まりと結石を楽しむ精神の持ち主としては、別にいいかなあと思う。ちょっといい歯磨き粉は、ブラッシングとうがいの後も、確かに口腔内の感覚が違う気がする。値段ってすげえよな。