他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

天使の首を吊る輪っか

今回帰省している限りで、少なくともあと一人の友人とのアポイントメントを取り付けた。中学しか一緒ではなかったが、その後も定期的に交際を続けており、ごくたまに日記に登場する変なやつである。私に変なやつだと言われるのは納得いかないだろうが、あれならば許してくれそうな感じがあるので変なやつだと言っておく。この前会った彼を、私が一切の自粛なくフルスロットルをかけられる相手だとすれば、今度会う彼女は、話を聞いている私が多少引き気味になるくらいのパンチ力と攻撃バリエーションを誇り、鼻白むとまでは言わないまでもその線に類するそれを有する相手もまた貴重だ。貴重だと言うか、そんなにいただろうか……? とりあえず明日会うので、一緒に晩飯を食べながらえげつないあんな事やこんな事でも教えて、教えてもらおうかなあと夢策しているところだ。どうせ聞いた内容はここに書けないようなものばっかりなのだろうけれども。大江健三郎の短編集を読み進めようとしたら、中期短編に入ったあたりから食指がさっぱり働く気配がなく、ぺろぺろページを読み飛ばして後期短編の最後のひとつだけを大人しくめくる事となった。何が刺さらないのか分からないが、悪魔のメムメムちゃんで言うところの「スン……」になるので、そういうものを読むだけ疲れてくとくとになりたくなくて飛ばした。開高健の文章はあんなにごくごくと、ダマになった濃厚スープのように満足感を伴って飲み干せるのに、翻ってこれは一体、なんだ。これを読み終わったら、とりあえず江戸川乱歩の中編寄せ集めみたいなものを借りてきているから、タイトルから筋肉少女帯の曲をいくつか思い出しつつ触れるだけ触っておきたい。そういうものを拾い集めておくと、後で、役に、立ったり、する、かも、しれない、なあ〜〜〜と思っての事なのだが、わざわざこう思わなければいけないあたりにすでに敗北が滲んでいる。日中弟とだらだらしている間に、どろろを読み終わってしまった。上巻の巻末についていたところによれば、編集部都合を被り途中で連載が終了されてしまったとの事だが、確かに終盤はなんだか駆け足で、それまでの独自の緩急を抱いた空気感のリズムが異なっていたし、最終話のドタバタとつじつまをつける駆け込み感は見ていて寂しくなった。下巻で読んだ、百鬼丸からどろろへの発破というか、血と肉の通った言葉の物質感に、思わず画面からぐっと顔を離した。確かに力を感じる場の組み方はある。