他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

チャックの閉まらない着ぐるみ

ゴミ箱を開けると濃密な生ゴミの匂いが蚊柱のように屹立したが、蛆が湧き出した後のゴミ箱の方がそういえば臭くない。匂いがてっぺん目がけて駆け上がるまさにその道中で蛆の発生が始まっているのだろう。あったかかったり寒かったりどちらでもなくなんとなくぬるま湯みたいな温度だったり、身体が阿呆になるほどではないが日和そうなくらいには再び気候の情緒不安定が顕現し出した気がする。また台風が生まれたり遠ざかったりしよるしな。気候として軸がぶれてるね。筋肉少女帯に歌ってもらいなさい。いや、それで居直られても困るのか。暴風雨吹き荒れて屋外がしっちゃかめっちゃかになれば、震えてるのも分からんもんな。上手くやるわあ、ほんま。明日洗濯物が捌けなかったらちょっとばかし困るんやけど、頼むよお天道さん。家の近くの定食屋が店先に出しているメニュー表を見ると、ポークジンジャーという謎の料理があった。ポーク。ジンジャー。考えるまでもなく豚の生姜焼きだった。豚の→ポーク、生姜焼き→ジンジャーだった。ポークが属格じゃない、生姜焼きの「焼き」が一切反映されていない等がぞろぞろ気になりはするが、お洒落に言おうとするとなんでもそれっぽくなるもんだなと思った。ポークジンジャーよ。それだけでジンジャーエールと同じ土俵に立った感があるぜ。それに比べると、豚の生姜焼きは、380円定食で食べられそうよね。件の定食屋はやたら高いのでほぼ全てのメニューがいち英世を越えるため、両者の間に圧倒的隔絶を感じるね。俺はバカだから雰囲気に流されて、ポークジンジャーがかっこよく見えちゃうね。でも、ちょっと待てよと。雰囲気が先行して、豚なのか生姜なのか豚と生姜なのか、もしかしたら生の豚肉ブロックに生姜がぶすぶす突き刺さった料理かもしれない格支配ガバガバ料理よりも、必要最低限まで削ぎ落として朴訥に背中で語る豚の生姜焼きの方が、もしかして性根もイケメンなんじゃないかと。ふたつをプロデュースされた時に、後々まで伸びるのは結局豚の生姜焼きなんじゃないかなと。俺はそう思うので豚の生姜焼きに一票入れるね。いつの日か、泥臭く鍛え上げた誠実な一撃で、ポークジンジャーをリングに沈めて欲しいね。その日が来るまで、俺は胸にこの想いを秘めてじっと応援してるよ。特に応援コメントはないのだが、それよりも、開けてしまった鯖パックとバルク買いの鶏モモ肉が終わりの匂いを醸し出す前にどうにかしなければならない。急務。