他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

柳の下のエクトプラズム

下茹でしていないほうれん草をそのまま鍋に入れて火を通してやろうと目論むと、変なエグみがいつまでも残って舌が不快な感じに犯され漬かって嫌な気分になるのでめんどくさがらずに仕込んだ方がいいなと思った。ただ、ほうれん草をボイルするたびに、鍋の中の湯が緑色の水性インキを落としたようになって、これって栄養が溶け出しとるんちゃうんかひょえ〜と怖気を振るうのも疲れる。さっと湯にくぐらせるくらいでちょうどいいのだろう。どうせ鍋に入れて煮るし。湯にくぐらせるという表現、かなり好きである。潜らせて引き上げる操作を、くぐらせるとまでスマートに縮約したフレーズに胸がズッキュンなる。目が覚めたら身体がキュッとなる程度には室内まで外気のしばりが伝わってくるようになった。さみい。布団から出るのが億劫で仕方がない。二度寝は人生のプロメアをぶった切っている自傷行為な気がする。でもイケないものは気持ちがいい。休日は二度寝の誘惑に駆られてふらふらして狩られている。朝は、というか朝もほぼほぼルーチンと化した。餅にかけるきな粉がちょうどなくなった。今回の配合は、脳内麻薬を出しやすくするために多めの砂糖を入れていたせいか、最後の底の方になると砕ききれていない砂糖の瓦礫がゴロゴロ出てきて、くわばわくわばら唱えながらスプーンで丹念に入念に優しく押し潰した。そこそこ袋餅を食べてきたが、結局一番美味しいのは最初に買った、近所のスーパーからもはや立ち消えてしまった見た事も聞いた事もない弱小メーカーのそれだった。そして、切り餅ひとつひとつのサイズが一番デカい。メーカーによっていちブロックごとの大きさに結構な違いがあるから、これからハイシーズン真っ盛り、興味があれば実体験してみればいいし人生で何の役にも立たない知識のひとつなので忘れ去ってゴロゴロしていても構わないと思う。数日前に、悔しいけどすごいのを認めざるをえないビクンビクンした謎のダークホース消臭剤であるが、私が全てのレシートを一定期間溜め込む性癖の持ち主であったがゆえに、財布からレシートが発掘され商品名が明らかになった。一文字も覚えてなかった。「怪力くん」というらしい。消臭剤の要素がどこにもない。けれど、名前で検索するとびっくりするくらい高評価の嵐だから、やっぱりあいつは「やる」と皆が認めたのに違いない。俺も認めるよ。怪力くんはすごいよ。性能は申し分ないから、そのお世辞にもラブリーとは言えない商品名だけどうにかしてほしかったな。