理不尽の反対語は何だろうと考えた。理を尽くさず、理が尽くされずの状態が理不尽なのであれば、否定語を除去して理尽となる。りじん？ あるいはlitotesを使い、不理不尽とするのか。どうなるのかなあ、とぼんやり考えたが、答えは出なかった。やたら寒いなと思ったら、べちゃべちゃとしたみぞれが降っていた。みぞれって漢字で霙なのか。イギリスの雨みたいって事か？ もしそうなら、ちょっと違うと思うが。雨のような環境音が立たず、静かに潰えていくだけで迷惑をかけてこないのでみぞれは好きだが、身体を濡らしてくる、傘を差す事を矯正してくるという点ではあれと一緒なので許せない。傘はできる限り、できるだけ、可能ならばいつまでも差したくない。このままどんどん固形に近づいて、雪が振り始めれば面白いなと思ったのに、さすが都市部というか都市部であるが故にというか、あくまでもみぞれの域を出ず、一瞬雪らしく吹雪いてみたりと色目を使ってはきたものの、結局雨にまで退化してしまった。道が濡れしょびれて、やたら寒くなって終わりである。もうちょっと頑張ってほしかったな。さすがに身体の芯付近にまで堪えるので、スウェットの下を衣類ゾーンから発掘して着用した。なぜこのシーズン、今までステテコを履いていたのか、振り返ればよく分からない。発掘するのが億劫だっただけか。軽く震える屋外から帰ってきて風呂に入ったので抗い難く眠い。寒いところから暖かいところに入ると途端におねむになる。電子レンジで温められる豆腐も同じ気持ちなのではないか。温泉とサウナをキメて布団に入ったら快眠爆睡できるだろう。旅館的な施設でゆるゆるレジャーを満喫するなぞ何年前にやったのが最後か定かではない。春にでもどっか行くかあ？ 三日くらい、人の形を失った液体になっ、なっ、普段から人の形を失った液体みたいな気はするが……？ そういうでろでろの非自立的存在まで自分を落とすのも悪くないかもしれない。普段やっている事とあまり変わらない気がする。すげえ眠い。最近ドライアイをより頻繁に感じるようになった。なぜだろう。部屋の空気をもっと頻繁に入れ替え、部屋に空気清浄機と加湿器をセットし、寝る際にはホットアイマスクをつけておめめに一日のおつかれさまを述べるべきなのだろうか。育った環境に空気清浄機も加湿器も一切存在しなかったので、生活においてそれらを必要だと感じる場面も気配もない。環境の影響は重い。
