他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

call & go through

昨日喜び勇んで買ってきた筒城灯士郎の新刊、読み終わって奥付を見たら2019年11月と書かれていたので目ん玉を引ん剝いた。去年じゃねえか。実に2ヶ月もの間、音沙汰も消息もぴったり聞かないまま知らぬ存ぜぬのまま私はふらふらしていた事になる。周りに趣味を同じくする人間がいないし、一般書店から足が遠のいて数年経つし、妥当と言えば妥当だった。そこそこ旬を外した本を、入り口から少し入る必要があるとは言え、表紙が見えるように陳列してくれていた生協の書店には頭が下がるというか頭が上がらないというか。そもそも星海社自体が、創立者は有名だったはずだが、レーベル自体そんなに、あるいはほとんど、あるいは全く有名ではない。最近ではビッグネームな出版社が、ライトノベルレーベルほどではないにしろ、ノベルゼロなどの「そっち系」作品を要するレーベルを創刊していたりするので、母体が有名ではないとそこそこ売り込みの段階から大変な時代なのかもしれない。大出版社のそっち系刊行物は、表紙を見た瞬間に「あーーーーーっ!!! そっち系だ!!!」と新宿駅構内で叫びそうになる程そっち系なので、知らなければ一度目にしてみる事を、別に直接的な利益は全くない事を申し添えた上で、推奨する。あの辺は、方法論というか、プレゼンテーションの仕方が凝り固まってしまっているので、たまに逸脱したものを見ると立ち止まるのだが、なかなかそういうものを見つけるのも難しい。まあ、とにかく、『世界樹の棺』、一度読了したわけだが、私は頭が悪いので筋の全てに納得行ったわけではないにしろ、全体としては面白かった。前回の商業作ほどエログロはなかったが(全くこれっぽっちも露ほども知らなかったが、実はカクヨムで発表していたりするらしい。情報に対して閉鎖的であるというのはかくありき、だ)、それ以外のあれやそれはふんだんにあって、久しぶりに読書なるものに耽溺できた気がする。挿絵というか、イラストというか、の本文への差し込み方なんかはかなり目新しいところがあり、終章の前のあれなんかものすごい。察するに、程度の軽重は厳密には分からないけれど、作者のいわゆるオタク文化への知識は無視できないものがあり、読みながら「完全にアレじゃん」と思うアレがあった。そのくせちゃんと書いてるからなあ……。だから安心して読めるのだが。あとがきのテンションが他に類を見ないところも私は好きなのだが。次回作は果て、何年後かね。