他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

おしっこ色の雲

朝方に向かう変な時間帯に目が覚めて、布団左手にある机の上の方から、ものすごい音がした。ガッ、バババババババババキバキバキバキ。そんな音がしそうなものは一つしかなかったし思いつかなかった。机の上に置いてあるPCのキーボードが滅茶苦茶滅多矢鱈に乱打され、弾け飛ぼうとしているかのような、起き抜けに聞くと芯から冷え上がるような強烈な破壊音だった。おっ、これはと思った。これはあれか、ポルターガイスト的なあれか、と。暗いから見えないのか、少し目をやっただけで目をそらしてしまう弱気な心がいけないのか、椅子の背で半分隠れた机上には、なんか黒い生き物がPCを開いて、暴力的なまでの打鍵を見せているのかと思い立って、トイレに行きたい事に気が付いたもののそいつとシラフで鉢合わせるのは怖い。ここまでそれなりの速度で考えをまとめてから、せめて明るくなるまでお布団の中でじっとしていようと思った。怖いのは苦手だ。得意なものは何だと言われると、それもまた困るが。ドキドキしながら、机の上が目に入らないように寝返りを打ったり、窓の外を見て明るくなったかどうか窺ったりしていた。気が付いたら寝ていた。昼前に起きて、机の上見たくないな〜PCが爆散してたらやだな〜家電量販店に行って直してもらわないといけなくて、その間使えなくなるからやだな〜とぐずぐずして、しばらくゴロゴロしてから机の上を見た。何にもなってなかった。PCを開いて電源をつけても、液晶に不具合があるとかそんな事は一切ない。いつも通りだ。およよ? 神経強迫症的なあれからくる、幻聴的なあれの一種的なやつかな? もしかしたらリアルな夢だったかもしれないと思って、朝ごはんを食べる事にした。るんるんる〜。楽しそうな鼻歌というのは、楽しい気分の時にそもそも鼻歌を歌うのかしらという疑問の前に無力になる気がする。一度机に戻って台所に行こうとすると、買ってきた本やら漫画やらを積み上げていたタワーが一棟、盛大に雪崩れているのを発見した。頭の中で崩壊のシークエンスを音声付きで想像しながら、昨日の夜の事を思い出し、むむむむむとなった。これは。これは〜。これはぁ〜。さてはぁ〜。この崩落のものすんげえ音で目が覚めて、一人でびくびくしてただけですかにゃ〜〜〜? そうかもしれない。そうではなくて、あの爆裂な音と本タワーのクラッシュは、全く別個の事象なの、かも。視覚情報が限られた中で、音を武器に攻められると怖いのはわかった。