他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

フライドチキン投擲

ゴミ箱を少し押し込んだら、ハエが一匹ぷんと上がってきた。もうそんな季節かと思ったが、確かにそんな季節ではある。早く玄関に置いてあるゴミを捨てたい。いつも忘れているものだから……。昼前から、外で、しかし家のとびきり近く、がりがりごりごりどっかんどっかん、壁一枚隔てて聞こえてきた。また、ガスメーターか何かの工事をやっているのかと思ったが、トイレに行った時だか洗面所に行った時だか、「ジンチョウゲが……」と会話の断片が聞こえてきたので、植木屋だか庭師だか、それに類するお仕事の人らしい事が分かった。ジンチョウゲは、漢字で書くと沈丁花なので、文字面だけで言うとものすごく好きな花である。どんな花なのか、一切のイメージを持ってはいないのだけど。一応画像検索をしてみたが、あぁ、ジンチョウゲジンチョウゲ……、ふーん……。程度の感想しか起こらなかった。それくらい、ジンチョウゲがコモンではない。というか、名前からびったしそれそのものをイメージできる花なんて、両手両足の指で足りてしまうくらいしか知らないのではないかという気もする。門外漢とか、そんな言葉も生温い人間だからこそ、窓の外から聞こえてきた、男性の「沈丁花が……」についと意識を引っ張られるものがあったのである。植栽の植え替えでもやっているのかと思ったら、くそでかい石がごろごろ置いてあったり、地面が掘り返されて真新しい色が見えていたり、思ったより絢爛華やかな作業風景ではなかった。どう考えても玄関先に似つかわしくない石というか岩というかだったのだが、あれは何にどうやって使うのだろう。ラーメン屋に行った。なんだか油そばが食べたくて。油そばとは書いてあるが、極太麺が油に浸っている、かわいらしい油そばが真っ青になって逃げ出すような、ものすごくべたべたしたマジモンの油そばである。試しに激辛にしてみたら、美味しく食べられはするが、油断すると喉奥をやられて咳き込む程度にハードだった。食べる道中でだんだん慣れたが、唐辛子と油の海の中を泳ぐようであった。やけくそみたいにもやしが乗っていた。特盛にしたからだろうか。今日は特盛に勝てるかどうかギリギリだったが、なんとか勝った。頭上真上のテレビから流れる、ひどく内容のないニュースに対して頭の中で顔をしかめながら食べる羽目になった。マスクを着けながら東京タワーの展望デッキまでの階段を上がるの辛くないですか、なんて益体のない事を聞くな。というか、宣言が解けたから人がいっぱいいますねと言いながらその構成要素になるな。