他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

月の裏にある川

家を出る時に、ちょっと首を傾げる程度だった空模様は、どんどん怪しくなり、おやつ時にはざんざん降りのびしゃびしゃぴちょぴちょになってしまった。折り畳み傘を持ち歩くのさえめんどくさくなって、悪天候に対しては徒手空拳の身であるから、帰りはしっとりして玄関をくぐる事になった。まあ、雨脚が落ち着いた一瞬と持ち直した数瞬で帰る事ができたので、水滴が滴るようなナリで帰る羽目にならなかっただけマシか。2ヶ月か3ヶ月ぶりに乗る地下鉄路線だった。しばらく、そちらの方面には用向きがなかったものだから。駅を出てすぐにある雑居ビルに入っていた居酒屋が、随分前に閉店していた。普段から客足が怪しい店だったが、自粛の煽りを受けてそのまま仰向けで倒れてしまったものらしい。雑居ビルに入っている店というのは、こう、一階にある店ならばふらっと入ってみようかという気にもなるが、階段を使ったりエレベーターで登ったりしなければならない、二階以上にある店舗は、心理的に足枷があるというか、端的に言って足を運ぼうと思うのもめんどくさい。めんどくさいと思ってしまう。地階にあったって、どちらにしろ飲み屋なら行こうと思わないけどな……。濡れて帰って来たから、比較的すぐに風呂に入った。家に入って、カバンを下ろした瞬間、室温が、部屋の湿度が最悪だなと思った。じっとりぬらぬらして、季節の湿度と雨の湿度が仲良く手を繋いでダンスを踊り、QOLふしぎなおどりで下げてくる。これはもう辛抱堪らんと身体が悲鳴を上げたが、冷房をつけてしまうと、今シーズンは向こうずっとずっと冷房に屈した身体になってしまうしそれは悔しいビクンビクン。そこで、この前ちらっと見た単語が閃き、エアコンのメニューボタンを一押しして良心の隙間を走り抜けた。除湿。この室内の不快指数が極端に高い状態で、何が最大の悪かといえば、それを感じる私かもしれないが、そうではない場合湿気という事になる。こいつが、梅雨(そういえばそんな季節があったな!)を構成し気分を滅入らせ湿らせる最大最悪の元凶である。そいつを刈り取る事ができれば、この張り付くような部屋の空気も幾分か改善される事だろう。送風口から涼やかな風がぶおーっと飛び出して来た時には色んな意味で肝が冷えたが、除湿という事にしてしばらくは運転していきたい所存である。寝る時の寝苦しさにもずいぶんと参っていた。エアコンがどういう仕組み作用で除湿しているのか、さっぱり知らないんだけど。