他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

オレンジメカニック

eugenicという単語が目に入った気がした。空目だった。辞書を開いて腑に落ちたが、εὐ+γένοςならば、優生学的とかそんな感じになるわなと思った。よい・種とか一族的なあれとか、そういう構成なので。どうしてそんな単語を空目したのやら。帰ってきたヒトラーを観たからかもしれない。アニメは基本的に魂の方向性が相違して観られないし、YouTubeの方でもパターンを何十何百と再生し終わったので。アマゾンプライムで、なんかよさそうな映画ねえかな、と思って探していたら見つけた。ので、観た。装丁がすごく印象的な本だったという記憶があって、すごくミニマルなのにそれが功を奏しているタイプのそれだったが、帯がかかっていないイギリスの本屋で見たからであって、日本語版だとどうなんだろう。そもそも翻訳って出ていたか? いらん事がいっぱい書いてある帯に邪魔されて、気が散ったかもしれない。本の帯は大体がいらないものだと思うが、まあそれはそれとして。なかなか面白かった。今まで映画はさっぱり触れてこなかったが、アマゾンにあるのは字幕版ばかりらしい。吹き替えはあまり好きじゃないのでよかった。初めて、ドイツ語がネイティブにぶっ放される映像ソフトに触れた、はずである。全然分からなかった。それはもう。アラビア語ほどではないにしても、音体系が全然身体の中にないんだなとびっくりした。字幕を見れば、それは日本語なので一瞬で意味は把握できるが、ではそれがドイツ語でどういう文章でどういう単語で、というのはさっぱり分からない。たまに単語単位では聞き取れるが、総体の1%にも満たなかっただろう。字幕で映画を観ると、内容よりも、セリフの方にプライマリな重点がかかっている。これは個人的な本質なので仕方がない。それはそれとして、映画としては退屈せずに観られた。題材が題材なので、時々ショッキングなシーンがあったりなかったりするが、けらけら笑いながらエンドロールまで行って、その時に背筋がひょっとした。大筋はコメディだ。気軽に観ればいいと思うが、よくこれが世に出たなと思うところがないではない。字幕のよかったところは、ヒトラー(役)が激昂した時のドイツ語のブリブリした荒々しさが直に分かるところだ。スタジオの照明に、口唇から破裂して吹き飛ぶ唾液の霧が見えた時、わーおと思ったのだ。その前に、アニメのかくしごとも観ていたのだけど。これ、アニメで原作を全部やったのかな? やった……のかね? 最終回で胸がちょっとキュッとなったけど、あっという間に観終わった。これもまた面白い。