他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

ばすかーゔぃる

夕方くらいになると、やっぱり身体と頭が重くなって、一休みしないと傾くようになっている。一体どうした事やら。室温がどうしても身体に馴染まず、立ったり起きたり、寝付けないまま、苦し紛れに窓を開けて外気に当たろうとしたら、か弱い音を立てて、蚊が一匹、寄り付いてきた。意図せずダジャレのようになってしまったが、羽音がしなかったのだ。こんな季節に蚊に食われては敵わんと思い、ものすごいスピードでスマホの充電ケーブルを引っこ抜き、アースベープノーマットを起動した。緑色の、畸形のザクの頭みたいな形で、起動ランプがついているかついていないかくらいしか様子の変化をうかがえないこれではあるが、炊くとたちまち虫の気配がどっか行くのだから、全く大したものである。結局、長い間落ち着く事はできなかった。そろそろ、明日くらいには、食料を買い出しに行かなければならない冷蔵庫事情になってきた。しばらく心の力が低迷気味だったので、外食やら何やらで晩飯が浮いていたため期間が空いたが、そろそろである。昨年比だと高くなっていると小耳に挟んだが、梨のシーズン真っ盛りでもあるだろう。梨って確か秋が旬で、そしてそろそろ秋よね? 季節のつなぎ目がシームレスというか、でこぼこで継ぎ接ぎな、火傷跡みたいな感じなので、道路標識の、こっから鳥取県です、みたいな一応の分かりやすさがない。前髪が目にチラチラ入るようになり、何よりも頭頂部のヘアーがわっさわっさと、そこだけ刺身のサクのようにつかめるようになってきたので、現金を銀行に入れついでに散髪に行った。残高がよく分からない流れになっていたので、通帳を持って行って記帳すればよかった。昼過ぎすぐくらいだったので、一人で待っていればよかった。待っている間、筒井康隆の狂気の沙汰も金次第を読んでいた。実に、何年振りだ、とても久しぶりに読み返すその文庫本は、たしか高校に上がったか上がらないくらいだったかの私の心を躍らせた当時と変わらず、強烈な刺激と魅力に満ちていて、原初の筒井体験は間違っていなかったという再発見とともに、これを面白く感じる私の感性も、死んでないらしくてよかったと胸を撫で下ろした。よかった。強烈なイメージで覚えていた、警官に目をカミソリで切られる話は、笑うなに入っている「傷ついたのは誰の心」だったのだが、冒頭から家に帰ると警官に妻をレイプされているし、目を切られるよりも他に随分とどぎつい話だった。