他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

蹄雪

今日は、帰省から帰る日である。帰りの新幹線の中でこれを書いている。家の中で引っ込んで、静かにしていただけの期間であるから、それほど目立ったものではなかったが、しかし顔を見られただけでもありがたい事である。弟や母を見送り、家で時間を潰した。昼から、新幹線の時間まで、人と会う約束があった。相手をする、相手をしてくれる人がいないと、家にぽつんと一人でいるのは、退屈で、暇だった。ちょっと寝たり、寝なかったり、荷物を弄ったりした。家を出る前になって、在来線の時刻表を一切把握していない事を思い出したが、多少いい加減にしても、待ち合わせの時間には遅れまいという楽観があった。一時間に一本とか、二時間数時間に一本しかないとか、さすがにそれほどではなかった。以前の記憶と、それほど街並みは変わらなかった。散歩ついでに入った店が、前は倉庫をそのまま店として開けたような、雑多で、棚の高さで向こうが見えなかったのに、照明が明るくなって、スペースを広々取り、ずいぶん整理されてしまっていたりした。駅で本を読みながら、待ち人を待ち、会えた。待ち合わせ時間を過ぎても、まだ来ないと、私が日取りと時間を間違え、全く無関係の文脈に放り出されてしまったのではないかという不安がどことなく湧いてきて、気持ちが悪くなる。久しぶりに会う彼女(人称代名詞)は、元気そうだった。かなりとんでもない事件が起きたらしいのだが、私と似たところがあるというか、表に内面が滲み出してこない、じっくりと話さないと分からないタイプなので、昼飯を食べながら、事のあらましを聞いた。アジフライと、刺身のサーモンが美味かった。そういう人もいる、という話を聞いてから、温かい白米と刺身を一緒に食べる、いわゆる刺身定食的なものを受け入れられないタイプなのかどうか、その人がそれに当てはまるのかどうか気になって、聞いたりする事があるような気がしたが気のせいかもしれない。気になるらしかった。まあ、口の中で異なる温度感で、食感の食べ物が混ざると、ぐちょっとしてねばねばするので、生理的になんかイヤな感じはある。強く突っぱねるほどでもないかと思うが。まだまだ時間があったので、広島にもある事を知らなかったのだが、コメダ珈琲に行って、ずっと喋っていた。あの人と会うと、いつも、9割くらい向こうが喋っている。私はだいたい聞いている。私が、人と共用できる話題がないせいで。そのような話でも聞いてくれたりするから、まったく貴重な友人である。おそろしくハードな内容の話を聞かされて、会うたびに底が知れなくなり、人間として発現している気がする。事実が小説に追いついたり、補完したりしている。