他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

カメレオン味

川上未映子『世界クッキー』を読んでいる。表紙のコラージュが、なんだか精神が不安定になる感じで、よい。私がどうしても落ち着かない色味の白が、そこかしこでちらちらしている。表紙に溢れている、あの白、アクリル絵の具で刷いた時に似ている。それでも、なんだか違う。どう違うのだろう。そして、どの辺が似ているのだろう。分からないが、生理的にむずむずする白なのだ。あれだ、ジェッソが乾いた後のあれが、一番近いかもしれない。あの肌触りは、どうにもいけない。触らずとも、見ているだけで不安になる。川上未映子の文章を読むのは、久しぶりだ。開高健も、身体感覚的な文章だが、こっちは、なんというか、馬に乗っているような文章である。あるいは、長い長い、一連のダンスのような。ぐねぐね、ぐるんぐるんして、しがみついて、振り飛ばされないようにしないと、目が文を遡って、遡って、上流に戻って、何行も何行も前まで戻って、もう一度ロデオを繰り広げる事になる。一文を読み通すのに、途中で気をやってはいけない。ひもQを噛み切らずに、一本まるまる飲み込むような作業である。所作に気を配らないと見逃してしまう、緊張感がある。大阪弁で、飄々として、ぺらぺらと進んでいるのに。小説は読んだ事があったが、エッセイは初めてかもしれない。この人は、こういう文章で世界を切り取る方法の人なんだな、と思った。あのスタイルでできている。買ってきたままの本が溜まっているから、ちょいちょい読んでいきたい。ついでに片付けられればいいのだが、なかなかそうしない。今日、やっておこうと思った事はやったが、朝寒かったので、ゴミ捨てはやらなかった。あのゴミは、確か年を跨いだゴミである。冬なので虫もアレもソレも湧かないのでいいが。早く捨てればいいのに。冷蔵庫の中に、チーズを置き忘れていて、これを久しぶりに開けてみたら、なんだか辺な匂いがした。前は、匂いが薄くて、鼻を近づけて、ようやっと雰囲気を感じるようだったのが、形容が難しいが、食べ物からあまりしてほしくない、少なくとも私は、匂いがしていた。あれはチーズなので、チーズにも色々あるから、本来のそうありがちな姿に至っただけかもしれないけれど、なんかイヤな匂いがする。フライドガーリックを削ってかけたが、それにしてもニンニクの責任は薄そうだ。匂いのきついチーズはきついというし、あれが自己実現自己発現の結果なのだとしたら尊重したいが、どうなのかしら。