他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

勝手に人の耳を掃除するということ

髪を切りに行った。それとは別に、銀行の残高を確認しに行く用事もあったので、ちょうどよかった。ちょっと前にはあったかいと言ったはずなのだが、揺り戻しなのかなんなのか、また冷え込む日もある。膝の上にはまだ半纏が乗っている。日中は着ている事もある。路上のゲロ袋は、水気を失ってころころした姿になってはいたが、まだあった。隣のバナナの皮も、黒ずんだ状態でお伴をしていた。残高を見て仰天した。危うく、明日明後日くらいはどうにかなるとして、来週の飯がピンチなぐらいしかなかった。一体どういうわけか、頭の中で計算してみたが、一応計算は合っていたので、今週をなんとか凌ぎ切らなければいけない。ネット古書店で探したあの本が、バカみたいに高くなくてよかった。その場合は、料金の支払いができなかっただけだろうから、害はないといえばないのかもしれないが。こういう時、使っているカードが、使ったはしから引き落とされるタイプでよかったようなよくなかったような気がする。見かけ上の残金が減らなければ、過剰に本を買う気もするので、やっぱりこれでいいのだろう。髪を切りに行くと、3人くらい待っていた。平日の、変な時間を選んでいるんだぞ、どういう事だ、と思ったけれど、壁面の鏡からそのまま木霊してきそうだったので、むべなるかなと思うしかなかった。待っている間、ちくま文庫向田邦子ベスト・エッセイを読んでいた。2020年三月に初版が出て、私が買ったのが2021年二月の12刷だから、このご時世の本にしてはよく売れている方なのだろう。向田邦子は、エッセイが面白いはずと、頭のどこかが覚えていたのだ。国語の教科書か何かに載っていて、大学生の時のどっかの夏休みあたりに、何か本も読んでいるはずなのだが、さっぱり思い出せない。読みやすい文章で、さらさらとしたくどさのない感触である。何を書くにしてもよい着眼点を見つける鼻のよさがあって、記憶に違わずよいエッセイだと思った。特に、食べ物についてのエッセイがいい。食べ物に関するエッセイが「食いしんぼう」というくくりで収められているほど、食べ物についてあれこれ書いてある。自分で、久しぶりに文章を日記以外で書いたが、疲れた。頭の中にあるもにょもにょした感じを、果たして文字に転写するとこうなのか、それとも的を外していて、もっと適切なものがあるのか、と考え続けて、すぐ気をやるので、集中して、なんとかなった。推敲は、他人のものはいいが、自分のものでやるのは苦手である。