他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

ハイテーブル

ヘルマン・ヘッセ『クヌルプ』をちょっと読んだ。大学のドイツ語の授業で、第一部を読んだ記憶が残り続けていて、その時の教授も大変よい人だった。まだ残りがあるらしいと何年も考えていて、本屋の棚に挿さっていたから取ってきたのだ。著作権が切れているとか諸々の理由で、おそらく、400円もしない小さい文庫である。訳はかなり古いもので、原文も確かにこんな感じだったとは思うが、ぶつぶつ頻繁にちょん切れていて、総体として読むには難しい感じがする。この文を訳しました、次はこの文を訳しました、次はこれを、で次はこれを、と、愛想なくぽいぽい置かれているようである。私がもっと、粘着質で、粘り気があって、ひとつの文をつまみ上げたら全体がわらわらと付き従ってくる訳文が好きだからという理由もありそうだ。第三部だけを残して、しばらく置いておくかもしれない。で、ダグラス・アダムス『ダーク・ジェントリー 全体論的探偵事務所』を読み始めた。タイトルからバカにされているような気がするが、著者はケンブリッジ卒の、言ってみればイギリスのイギリス的部分をふんだんに湛えた人物であり、内容についても閉口した口をもう一度開けたくなるくらいにイギリス的である。面白いのだが、その笑いは腹を抱えて声に出るものではなくて、「ふふ……」とか、ニヤァ……とかで表現されるような、パルスの低いしとどに湿り気を帯びたものであって、あぁ〜〜〜〜イギリス〜〜〜〜という感じがする。読んでいる最中にお茶を入れに行って、この人とはうまく付き合っていけるだろうかと判断する際に、「アメリカ人とイギリス人、どちらの気質を好ましいと思うか」と質問する事は、かなり有効なのではないかと思い付いた。おおよそどちらについても、実戦による手触りを持っている事が前提条件なのが玉に瑕というか玉がまっぷたつな感じではあるのだが、これは極めて効果的に運用が可能なはずである。私は圧倒的にイギリス人の方が好みではあるが、それと付き合いやすいというのはまた別の話だ。ま、それはともかくとして、イギリス人が目の前で、ゴールデンラッキーみたいにぐいと顔を出して、しかしちらりとしていて、でも確かにこちらを向いている。言いたい事はあったがうまくまとまらないのでまとまらなかったという事だけ残しておく。昼前くらいのカスみたいな時間に起きたのだが、起きてから今日は祝日だと知った。確かに、先週そんな話を聞いたような聞いていないような。身構えていないと何もしない。