他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

かわりませんね

髪を切った。髪がある程度のところまで伸びると、手を差し込んでわしわしした時に、独特のひっかかる感じがあって、それで散髪に行くかどうかの判断をしている。各人、それなりに、調髪については独自の尺度を持っているのではないか。今日、祝日だという事を知らなくて、店の中で流れているラジオのタイトルに「ホリデー」と入っているのを聞いて、頭の中にどこかで見たカレンダーがフラッシュバックし、そういえば今日は赤い日になっていたと思った。クリスマスと年末年始、それと親きょうだいの誕生日くらいしかまともに覚えられないくらい、数字に対する感覚が欠落しているから、何回言われても過ごしても、祝日一覧は覚えないはずである。今日は、ちょいワル親父をもうちょっとワルの方にほんのり寄せたような長髪の人で、すぐにヤニの匂いが分かった。求人情報の、髪型服装自由という表記について、実際のところどこまで自由なのか全国的に調査をしたら、どこか一軒くらいは、バニースーツとかF1レーサーの格好でもいいよというゆるゆるなところが見つかりそうだが、だからどうなのだという感じもする。今までこの人に担当してもらった事はなかったのだが、なんなら今までで一番いい人なのかもしれないと思うくらいには上手かった。多少耳を引っ張ったりとか、頭髪を云々するにあたり、被施術者に対してある程度痛みを伴うだとかのストレスを引き連れる避けがたい所作のひとつやふたつくらいあるのだが、そういえば今日はなかった。シャンプーする前、手の平を水平にして、襟首のあたりをトントンと叩いてきて、独特な髪の落とし方だなあと思ったら、首の方まで降りてきて、そこでマッサージをしてくれているのだと気が付いた。なんなら肩まで揉んでくれた。肩を揉むという行為に強い指向性を持ってそうされた事がないし、特に肩凝りがきつい日とかではなかったのだが、肩を揉んでくれた。ドライヤーをかけた後、再度ハサミを取り出して、頭頂部の方をちょいちょいしていて、何かと思ったちょっと後に、あ、白髪を切ってくれているのだなと直感的に分かった。切った後だと目立つからさ、なんでか跳ねるんだよこいつら。いい人だった。これであの理髪店のスタッフには全員当たったはずだが、過不足無く、普通のいい店だという結論が得られた。私の選球眼は変なところで発揮される。 /// 人となりが変わらないというのは、ある程度の価値を見出すべき事実かもしれない。