他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

どこを数えてダブルなんですか

胸中掲げている教条のひとつに、「自分から『濃厚』と言ってくるつけ麺屋を信用しない」がある。ここでいう「濃厚」と「つけ麺屋」は比喩なので、場合によって適宜換装されるスロットである。前にも書いたかもしれん。読んで字の如くな意味であり、換装した場合もまた然りなのでそれ以上述べる事はないが、ある程度の護符じみた効果はある。読んで字の如く感じるのは本人だけである場合ももちろんあるが、しかしそれはそうなので、「それはそうであるからそう」な深度にある事だから、やっぱり何も言えない。無性にパンが食べたかった。パン派ではないが、では熱心敬虔熱烈過激心酔のご飯派かと問われると別にそうでもない。パンは在庫が掃けるのが早いし、あまり日持ちしないから、そう何度も買い物に行きたくない出不精としては、適当に保管しても長期間置いておけるし、便通に甚大な効用がある玄米の方が総合点で大きく水を空けているだけの話である。イギリスで暮らした時は、でっかいカートリッジみたいな、一枚一枚が薄くスライスされた(ここは英語で言うとスライスがthrice出てくるので面白いポイントかもしれない)パンを買っていたが、あれは、でっかいくせにたちまち二、三日のうちに期限切れしてしまうので、一人暮らし用ではなかった。パンが食べたかった。頭の中で人格の一部がこぼれ落ちて、パンが食べたい食べたい食べた〜〜〜い!!! と駄々をこねるくらいなぜかパンが食べたかった。いいかげんな菓子パンや、スーパー内製のいまいちなやつではなく(高井戸のオオゼキのように、インストアベーカリーでも素晴らしいところはもちろんある)、パン屋のパンが食べたかった。リトルマーメイド(「リトルマ」までタイプすると、ただ一つの候補に「リトルマガジン天理少年」が出てきた。Macの辞書は時々正体が全く分からない)やポンパドールみたいな洒落っ気のある店だと私が入れないので、個人経営の町のパン屋さんみたいなところに。記憶にひとつ、思い当たるところがあった。そもそも、パン屋が選ぶほどある町なんてそうそうないだろう。近所では他に知らない。さつまいもスティックパイ、明太ポテト、ダブルチョコデニッシュ、チーズケーキみたいなパン、全粒粉食パンを買った。チーズケーキみたいなパンは、正式名称を忘れたがまさにそんなパンだったし、ポップにもそう書いてあった。両手で作った円よりも少しだけ大きくて、中に部分円周3つ分のクリームチーズみたいなのが入っていて、天面も薄くクッキー生地らしきものを被せてあった。焦げと言ってもいいほどの焼き目がついて、鈍重なサイズをしていたので、あまり見栄えがいいとは言えないが、すげえうまかった。あのパン屋は前に行った時もよろしい感想を残したはずなので、きっとおいしいパン屋なのだろう。