他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

落ち着いて寝られる色の天井

西尾維新『少女不十分』を読んだ。この本を書くのに10年かかったとは本人の談だが、2015年くらいの本だっけ? と思って奥付あたりを見たら2011年にノベルスで出たのが初出だったので、私はこの本を読むのに10年かかった事になる。どこかの英雄オデュッセウスのようだ。10年戦争し、帰国するのに10年かかっている。自伝なのか、自伝じゃないのか、自伝として読ませようとしてこうなっているのか、ただ同じような事が書いてあるだけの「事件」なのか(この本に書いてあるのは物語ではなく事件だと本文中で明言、や、フィクション(?)で明言も何もない気がするが、されている)。こういう事を考えて、こういう事を目指して小説を書いているのかな、と肉付きのある想像をさせてくれる程度には、他の著作と比べて現実味があるというか、現実とフィクションで軸をとった場合、現実寄りな感じがある。内容は、現実離れしているがリアルである。私が弾を打っても、西尾維新に当てられる気がしないな。36以降が本題にして本番なのかもしれない。一緒に、神林長平法月綸太郎の本も買った。昨年末くらい? から、意識的にSFやミステリの本に手を伸ばすようになっていて、自分から普段読みつけているテリトリーから他の特定ジャンルに足を伸ばすのはかなり珍しい事だ。私は分類ではなく大体作家で選んで、どれも選択的だから括れるわけではないにしても。SFに意識が向いたのは、間違いなく銀河ヒッチハイクガイドシリーズのおかげだろう。正直なところ、人生でくくりや分類について納得、あるいは実感して、自分のものとなったと感じられるくらいの尺度として使った事がないし、これからも多分できないだろうと思うところがあるので、なんで広く用いられているのか墓石の下でも考えているかもしれない。妥当なタグ付けは、ゴミの分類とエロ動画サイトくらいではないか。少しだけ、精神の均衡が戻ってきた。選考は詮衡と書いてもよいという、いつだかに知ったそれに、藤枝静男の随筆の中でまた出会った。字の意味的には、後者の方がせんこうっぽかったんじゃなかったかな。