他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

儀容

道にかじりかけのちくわが落ちていた。道にちくわが落ちているだけですごいのに、かじりかけである。朝から私は感激した。道にちくわが落ちているのを見た事がある人間がどれだけいるだろうか。往来の多い場所だったから潜在的に可能性は高くなるが、昨今の人類が自分の歩く道をまともに見ているとは思えない。ワイヤレスイヤホンをして、ながらスマホで、手放しチャリ漕ぎをする人間がいる時代だ。正直、今日はこれで終わってもよい。いい場面だった。一本だけ落ちて、なぜかじりかけなのかは分からない。一生分からないだろう。結論の出ない事を抱えておくのはいい事だ。あまりにも嫌で、強烈なイメージだったので日時を覚えている。木曜日だ。厳密には水曜日の夜から翌日の朝にかけて見た夢が最悪だった。機械を食う夢だった。部品の金属ピンが金色に光って、口触りも喉越しも最悪で、全部覚えている。その嫌な感覚だけを。今思い出しても生理的に怖気が走る。見るだけで疲れた。本当に嫌な夢だった。なぜ見たのか分からない。でもたまに見る。反吐どころか、存在の全てを裏返しにしてこぼしても足りないほど嫌だった。嫌な事はよく覚えている。