数年会えなかった祖父に面会した。コロナのせいでガラス越し、あんまり聞き取れない状況だったが、私はほとんど何も言えなかった。年月の削ぎ落とした結果を目の前にして、私は言葉を失った。葬式の時に、私は果たして泣くのだろうかと思っていたが、泣くだろうなと思った。言葉など吹き飛び、ただぎゅっとしているしかなかった。川が沃土を運び、そして運び去るのだという話をその後、関係ない文脈でしたが、そういうことなのかもしれなかった。無理矢理にでも何か、しゃべっておいた方がよかったのだろうか。目が合うと、懸命に喋ろうとしているけれど言葉にならないのが分かって、む、む、む、という感じだった。