もっちゃりした一日だった。物質的にもっちゃりしているのではなく、精神的にもっちゃりしていた。滑らかに動くことなく、ひとつびとつの動作の繋ぎ目が散漫というか。いつか言った記憶があるけれど、咀嚼音の擬音はどれが一番しっくり来るんだったか。もきゅもきゅかもっちゃもっちゃだったと思うのだが。あんまり濁音らしい音ではない、と思う。唾液と口肉でぐたぐたになった食べ物が捏ね回されているのだから、濁音ではなかろう。横に置いてあるモニターの前に積んである本が無視できない高さになってきたので、一度押し入れにぶちこまないといけないが、押し入れの中も本を立てて置くスペースがなくなり、横にして積んだり、むちゃくちゃな建築物が生まれている。本棚を買えよ馬鹿野郎と思い続けて一体何年経つのか、やっぱり本棚を買えよ馬鹿野郎と思う。９割くらいは文庫本だから、棚に整理すればそれほどかさばらない、かさばらないんじゃないかなと思うけれど、結局100をどううまく収納してみせたところで本質は100であることに変わりない。なんでこんなに本を買っちゃうんだろう。酒は飲んだらなくなるし、タバコはのんだらなくなるし、でも本は読んでもなくならない。部屋がすごい乾燥している。天気がぼやっとしている。いざ悪天が続くと、やっぱり晴れっていいものだ。
