買っていた野坂昭如コレクションを読み始めたのだが、すごい強烈だ。博覧強記な女性器テーマのそれがあったり、あれがあったりこれがあったり、3000円払ってよかったなと思っている。紙と製本が立派でごついので読みにくいのはまあ仕方がない。国書刊行会は、名前に反してというか名前からイメージするのとは距離がある、変な本が多くて、野坂昭如の小説もまあ、表にどんと出る類のそれではない。一人で読むからじわぁと染みる良さを持っている。空気が冷たい、という形容詞ではない、ひゅっと身を縮こめさせるような透明だ。明日は雪が降るかもしれないし、降るだろう。こんな季節に電気代が高いなんて、救いのない時代だ。